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【高校野球】7回制に大阪桐蔭・西谷浩一監督が突きつけた「NO」の重み 「誰にそんな権利があるんですか」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

大阪桐蔭・西谷浩一監督が語る「7回制反対」の理由(前編)

 選抜大会に出場する32校の発表が近づいている。球春到来を前に本来なら高揚感が高まる時期だが、今年はどこか晴れない空気も漂う。高校野球界では、7回制導入を巡る議論が活発化している。そんななか、先日夜のテレビニュースのスポーツコーナーで、イチローがこの問題について言及していた。

「それをしちゃったらもう野球じゃないから。9回なんですよ、野球は。そこで工夫しないと。試合時間とか日程とか、それはもちろん考慮する、しなきゃいけない。だけど、野球を壊しちゃいけないよね。絶対変えちゃいけない領域があるのに、ついに触れてしまったので」

 穏やかな表情とは裏腹に、そこには明確な主張と譲れない決意がにじんでいた。高校野球の根幹を揺るがしかねない危機を前に、口を開かずにはいられなかったのだろう。このイチローの言葉がひときわ私の胸に響いたのには、もうひとつ理由があった。その放送の数時間前、7回制に明確な「NO」を突きつけたもうひとりの野球人の思いを聞いていたからだ。

7回制導入に大反対と語る大阪桐蔭・西谷浩一監督 photo by Tanigami Shiro7回制導入に大反対と語る大阪桐蔭・西谷浩一監督 photo by Tanigami Shiroこの記事に関連する写真を見る

【どう考えてもおかしいと思う】

「誰にそんな権利があるんですか。僕は子どもたちに説明できません」

 その声の主は、大阪桐蔭監督の西谷浩一だ。

 西谷といえば、年明けの大阪桐蔭の練習初日、報道陣を前に語った7回制を巡る発言が、ネット上で大きな話題となっていた。

<大阪桐蔭・西谷監督「僕は最後まで反対したい」 7回制に猛反対「議論の余地ない。間違っている」>(日刊スポーツ)

<大阪桐蔭・西谷監督が7回制"断固拒否"表明 「意味が分からない」 新年始動日に思い明かす>(スポーツニッポン)

 刺激的なタイトルに続く記事では、さらに踏み込んで語る様子が記されていた。

「僕は授業でよく憲法の話をするんですけど、憲法(を改正するに)は国会議員3分の2以上の賛成があって、そして最後にもう1回、国民投票をしないといけない。それぐらい簡単に変えられるもんじゃない。僕は憲法と一緒だと思う。本当に話し合ったのならば、野球をやってる人たちみんながいいっていうならあれですけども、どう考えても僕はおかしいと思う」(日刊スポーツ)

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著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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