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【高校野球】7回制に大阪桐蔭・西谷浩一監督が突きつけた「NO」の重み 「誰にそんな権利があるんですか」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

 メディアの影響力を誰よりも知る人で、取材時の受け答えも年々慎重になっている。その西谷のこの発言。当日は取材現場にいなかったため、どういう流れで出た言葉なのか。いわゆるオフレコ的な雑談が記事になった可能性もある。

 真意を確かめたいと思いを巡らせていると、ふと思い出した。数日後、選抜大会に向けた高校野球雑誌の取材で、大阪桐蔭を訪れることになっていたのだ。

【7回制には一貫して反対】

 こうして、夜にテレビでイチローが7回制について語ったその日の午後、山中にある練習グラウンドを訪ねると、いつもと変わらぬ柔らかな表情の西谷が「忙しいですか?」と声をかけてきた。

「僕なんかより、7回制の話題で大変じゃないですか」

 そう返すと、「そうなんですよ。取材の問い合わせが続いたり、いろんな人から連絡が来たりして反響があって......」と言い、こう続けた。

「ただ、自らの思いは年明けに語ったとおりで、7回制について、あらためて個別の取材を受ける予定はありません。必要な時は、言うべきところで話をさせてもらいます」

 これから取材に入る私への軽い牽制もあったのか、まずは本題(選抜)の取材から始まった。しばらくすると、ネット裏にあるプレハブの部屋にNPBのスカウトが相次いで姿を見せた。あいさつもそこそこに、話題はすぐに7回制へと移っていった。

「(練習)初日の発言は、あの場で言おうと準備していたんですか?」

 あるスカウトの問いに、西谷は軽く首を振って返した。

「いやいや、それまでも7回制について聞かれたら、同じように言ってきました。今回も、記者の方に『書いていいですか?』って聞かれたから、『いいですよ』と言ったら、あんな感じになって」

 これまでも西谷は「7回制」に一貫して否定的な姿勢を示してきた。ただ、ここへ来て、この問題を取り巻く空気は明らかに変わっていた。昨年12月に開かれた高野連の理事会で、「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」の取りまとめが公表され、2028年の第100回記念選抜大会および各都道府県高等学校野球連盟の春季大会からの導入が望ましいとの文言が明記されたのだ。

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