「坊主頭しかない」「遊びに行く気力もなかった」中村亮土が振り返る「自衛隊」みたいに厳しかった鹿児島実業高ラグビー部時代 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

── やはりフィジカルの強化は欠かせないですよね。

「コンタクトした時の衝撃に慣れておく必要もあると思います。なので、ワールドカップ前のパシフィック・ネーションズカップ(7月〜8月にフィジー代表、サモア代表、トンガ代表と対戦)でフィジカル系のチームと対戦することは、ジャパンにとって非常に大事になっています。

 そこで世界レベルの圧力を感じ取って、ワールドカップまでに戦えるフィジカルにしないといけない。フィジカルの部分は個人やポジションの違いもあるので、それぞれが課題に向き合いながらやっています」

── ワールドカップに出場することができれば、自身2度目の大舞台となります。

「昨年の秋にフランス代表とトゥールーズで対戦した時、フランスのラグビーファンが親日派であるのを改めて感じました。オフの日に街を歩いた時も、ゴルフ場に行った時も、みんなに『日本ラグビーが好きだからマジで頑張ってね!』と言われて、すごくうれしかったです!

 試合後にグラウンドを1周した時も、フランスのファンはみんな帰らずに残ってくれていて、スタンディングオーベーションで『ジャパン』コールもしてくれた。まるでホームのようだったので、ワールドカップ本番でもフランスのいろんな会場で試合をするのが楽しみです!」

── 個人として、ワールドカップでの目標はありますか?

「ワールドカップのピッチに立った時にどんな感情になるのか、まだわからないですね。『これが最後の大会です』みたいに決めることもしないです。でも、若いメンバーも増えてきたので、年齢的には次の大会で最後だろうな......とも思っています。

 個人としては、ベストパフォーマンスを出して『ベストな12番』になりたいです。そしてチームとしては、ベスト4......いや、それこそ本当に優勝を目指します!」

<了>


【profile】
中村亮土(なかむら・りょうと)
1991年6月3日生まれ、鹿児島県鹿児島市出身。中学まではサッカー部に所属し、鹿児島実業高に入学してからラグビーを始める。帝京大を経て2014年にサントリーサンゴリアスに加入。日本代表歴はジュニア・ジャパンやU20代表を経験したのち、2013年5月のUAE戦で初キャップを獲得。2019年ラグビーワールドカップの日本代表メンバーにも選出され、2021年には副キャプテンに就任する。ポジション=CTBセンター。身長182cm、体重92kg。

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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