検索

【欧州サッカー】ローマの王子・トッティは中田英寿との交代に不快感を露わにした「ふざけるなよと思った」

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Hideki Kasuya

世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第54回】フランチェスコ・トッティ(イタリア)

 サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。

 第54回は「ローマの王子」フランチェスコ・トッティを紹介する。四半世紀にわたってローマひと筋でプレーしたバンディエラ(長期にわたってひとつのチームで活動し続けた選手)は、イタリア史上最も偉大なサッカー選手のひとりと言って間違いないだろう。その彼がついに、再び愛すべきローマに戻ってくるかもしれない。

   ※   ※   ※   ※   ※

フランチェスコ・トッティ/1976年9月27日生まれ、イタリア・ローマ出身 photo by AFLOフランチェスコ・トッティ/1976年9月27日生まれ、イタリア・ローマ出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 顔面偏差値は非常に高いが、目は笑っていない。ちょっとだけ気難しそうにも映った。人懐こいファビオ・カンナヴァーロとは異なるタイプだ。

 フランチェスコ・トッティの第一印象である。

 彼がローマで頭角を現した1990年代中期のセリエAは、インテル、ユベントス、ミランの三強が牛耳っていた。放映権バブルの影響でローマとラツィオ、フィオレンティーナ、パルマを加えた「セブンシスターズの時代」という考え方もあるとはいえ、メディアの数、影響力でイタリア北部を本拠とする三強には敵わなかった。

 また、日本的な視点では1998-99シーズンのペルージャをスルーできない。中田英寿が開幕節のユベントス戦で2ゴール。鮮烈なデビューを飾るとともに、最終的にはふた桁得点を記録している。そして「日本代表史上最高のタレント」とも評されるMFは、のちにトッティのキャリアに関わっていく。

 トッティは1993年にローマでプロデビューした。身長180cm、体重80kgと恵まれた体躯を誇り、ボール扱いも流麗だった。「憧れはジュゼッペ・ジャンニーニ」と語ってはいたものの、1980年代に「ローマのプリンチペ(王子)」ともてはやされた技巧派MFより、トッティは強く、それでいてしなやかだった。

1 / 4

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

【図】FIFAワールドカップ2026出場国 フォーメーション&メンバー

キーワード

このページのトップに戻る