【ボクシング】山中慎介が再認識した井上尚弥の「1発の強さ」 敗れた中谷潤人が手に入れたものは何か?
山中慎介 5.2「THE DAY」インタビュー 中編
(前編:井上尚弥vs.中谷潤人で「なかなか見ない光景」と指摘したことは? 両者の高度な駆け引きの正体>>)
井上尚弥(大橋)と中谷潤人(M.T)によるWBA・WBC・WBO・IBF世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチは、前半は井上が主導権を握ったものの、中盤の8~10ラウンドは中谷がペースを引き寄せた。しかし11ラウンド、井上の右アッパーが中谷の顔面を直撃した瞬間、勝負の流れは決定的に傾いた。元WBC世界バンタム級王者・山中慎介に、この一戦の後半戦から中谷が手にしたもの、そして今後の井上に立ちはだかる「フェザー級の壁」を語ってもらった。
試合中も含めて笑顔を見せる場面が多かった中谷潤人(左)と井上尚弥 photo by 山口フィニート裕朗/アフロこの記事に関連する写真を見る
【勝利を引き寄せた井上の右アッパー】
ーー前半は井上選手のペースで進みましたが、8、9、10ラウンドは中谷選手がペースを引き寄せました。井上選手は試合後のインタビューで「ポイントを譲っても大丈夫」というニュアンスを語っています。山中さんはあの言葉をどう受け止めましたか?
「井上も中谷も、人一倍負けん気が強いですからね(笑)。お互いのコメントがどこまでが本心かは測りかねるのもあります。井上は、少し疲れがあったようにも見えました。前半あれだけステップイン、アウトを大きく繰り返したので、いつもの試合以上にスタミナの消費があったはず。中谷の距離感と体格が、井上をそうさせたんだと思います」
ーー中谷選手の体格、スピード、パワーの進化も印象的でした。
「昨年末のセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)戦から、わずかな期間でかなり強くなりましたね。足の太さ、身体の厚みも増していました。今回、中谷はスーパーバンタム級にかなりアジャストしているように感じました。この階級でさらに強くなれると思いますし、『まだまだ上の階級もいけるな』と思わせる体つきでしたね」
ーー8~10ラウンドで中谷選手がいい流れを作りましたが、11ラウンドの右アッパーで井上選手が引き戻しました。
「あの一発で、完全に井上に流れが戻りました。パンチ力がある井上だから、あのタイミングで決定的な一発が打てる。やっぱりすごいですよ」
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著者プロフィール
篠﨑貴浩 (しのざき・たかひろ)
フリーライター。栃木県出身。大学卒業後、放送作家としてテレビ・ラジオの制作に携わる。『山本"KID"徳郁 HEART HIT RADIO』(ニッポン放送)『FIGHTING RADIO RIZIN!!』(NACK5)ウェブでは格闘技を中心に執筆中。レフェリーライセンス取得。ボクシング世界王者のYouTube制作も。




















