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【欧州サッカー】ローマの王子・トッティは中田英寿との交代に不快感を露わにした「ふざけるなよと思った」 (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Hideki Kasuya

【ロマニスタにとって永遠のアイコン】

 あらゆる角度から正確に狙えるシュート力、ゴール前での落ち着き、ピッチ全体を俯瞰できる状況判断、プレス耐性......等々。トッティは他選手が嫉妬するほど天賦の才能に恵まれていた。

 だからこそ、キャリアの晩年を迎えた2006-07シーズンに26ゴールでセリエAの得点王に輝くことができたのだろう。フィジカルの低下に抗いながら、卓越した戦術理解度によって個人タイトルを手にしている。

『sky sports』のインタビューに応じたカペッロ氏も、次のように語っていた。

「トッティに技術的なアドバイスは不要だった」

 トッティはローマで育ち、キャリアを閉じた。いわゆる「ワンクラブマン」である。

 現代フットボールでは死語に等しい。下部組織出身の若手はサポーター間で特に愛され、出場するだけで大歓声が送られる。ローマではトッティとダニエレ・デ・ロッシ、バルセロナのカルレス・プジョルやシャビ・エルナンデス、バイエルンのトーマス・ミュラー、ミランではパオロ・マルディーニなど、錚々たる顔ぶれだ。

 だが、フットボールがビッグビジネスとして成立する今、経済力に秀でたプレミアリーグの各クラブは世界中にスカウト網を張り巡らせている。最近ではサウジアラビアリーグも大金をちらつかせる。

 それでもワンクラブマンが依然として愛されているのは、その生涯を古巣に捧げたからに違いない。

 ロマニスタにとってトッティは「永遠のアイコン」であり、夢のような監督候補だという。マルディーニが率いるミランを相手に、トッティ監督、副官にデ・ロッシのローマが相まみえる構図は鳥肌が立つ。ただ、現実味は薄いかと......。

 2019年にスポーツディレクターの職を辞した後、トッティはローマと距離を置いていた。ところが今年の2月中旬、オーナーのフリードキン・グループ、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督とトッティの接触が明らかになった。「永遠のアイコン」が古巣に復帰する可能性が急速に浮上している。

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