サッカー日本代表は総合力の底上げはならず オランダが国際マッチウィークで見せたW杯決勝トーナメントで「上に行く力」
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連載第87回
杉山茂樹の「看過できない」
日本がスコットランド、イングランドと対戦した3月末は国際マッチウィーク。世界各地でワールドカップ予選プレーオフや数多くの親善試合が行なわれた。なかには、ワールドカップの抽選会で第1ポットに振り分けられた優勝候補同士が対戦する、世界のサッカーファン必見のゲームも含まれていた。3月26日にボストンで行なわれたブラジル対フランスだ。
日本のファンにとって必見の試合でもあった。日本が本大会のグループリーグで前評判どおりグループFを2位で通過すれば、対戦するのがグループCの1位で、ブラジルはその最有力候補だからだ。筆者はその可能性が4割強だと見る。
ワールドカップの初戦で日本と戦うオランダ代表はノルウェーと対戦 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography ブラジルはその5日後、フロリダ州オーランドでクロアチアとも対戦している。中4日とはいえ、いまは欧州シーズンの佳境だ。2試合を同じ顔ぶれで戦うわけにはいかない。
スコットランド戦からイングランド戦を中2日で戦った日本は、スコットランド戦を従来のサブ組で戦い、続くイングランド戦には主力組を送り込んでいる。それは、メキシコ戦には主力組で、アメリカ戦にはサブ組で戦った昨年9月のアメリカ遠征と同じ手法である。
それが定番と化していることに筆者は苦言を呈した。サブ組は言うならば即席チーム。円滑なコンビネーションプレーを期待することはできない。プラスアルファの生産性が見込めないうえに、サブの選手たちが必要以上に悪く見える恐れがある。
一方、主力組で固めれば使える選手の数は増えない。チームとしての総合力は高まらない。本大会で優勝を目指し、できるだけ多く試合をしたいなら、サブと主力の境界をなくして、使える戦力をできるだけ増やす必要がある。そのためにも両者を2試合、ほどよくまぶして戦うべし、と意見した。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

