サッカー日本代表が史上最強でも盛り上がりに欠ける理由 カズ、中田英寿、本田圭佑がいない
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連載第93回
杉山茂樹の「看過できない」
5月31日に行なわれる壮行試合、日本対アイスランド戦に関して、日本サッカー協会は観戦チケットが完売になったことを伝えた。景気のいい話に聞こえるかもしれないが、発売が開始されたのは4月4日なので、完売までに思いのほか時間を費やした。なんとか完売にこぎつけたとの見方もできる。場所は他でもない国立競技場だ。首都東京のほぼど真ん中に位置する、日本で最もアクセスのいい、最も集客が期待できるスタジアムだ。満員にならなかったら逆に一大事である。
日本代表の合宿での森保一監督と吉田麻也前主将photo by MATSUO.K/AFLO SPORT ワールドカップ開幕は6月11日(現地時間)。あくまでも肌感覚だが、これまでのワールドカップとの比較で言えば、世の中の反応は鈍い気がしてならない。カフェや居酒屋に行けば、隣に座った人が、ワールドカップに臨む日本代表を熱く語るという瞬間にかなりの頻度で出くわしたかつてとは、明らかに雰囲気が違う。
日本代表監督はしきりに優勝を口にする。NHKをはじめ、それに乗っかろうとするメディアも数多い。サッカー協会会長も、先日放送されたNHKの番組で「史上最強だ」と声を大にしていた。
実際、親善試合ではあるが、昨年10月にはブラジルを倒し、今年の3月にはイングランドに敵地で勝利を収めている。盛り上がる条件は揃っているかに見える。
先日発表された26人の代表メンバーのうち、23人が欧州組だ。ケガで三笘薫、南野拓実らが外れたとはいえ、陣容は過去にない豪華さだ。空前の盛り上がりになってもおかしくない。
だが、実際はそうでもない。筆者の目には、4年ごとに熱が下がっているように映る。
ここにきて世界各国の代表チームは続々と26人のメンバーを発表しているが、どの国でも少なからず騒ぎになっている。イングランドでは、代表の常連だったDFハリー・マグワイアが外れると、すかさず母親と妻がトーマス・トゥヘル代表監督を批判。大きなニュースとなった。メンバー発表にまつわる悲喜こもごもの出来事は、それこそ世界各地で起きている。日本とは比べものにならないボリュームで、だ。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。


