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【ワールドカップ】逃げきりを狙って逆転負けを喫したイングランドは、まるでブラジルに敗れた日本代表のようだった

  • 浅田真樹●取材・文 text by Masaki Asada

守りを固めて逃げきりを図ったイングランドだったが... photo by JMPA守りを固めて逃げきりを図ったイングランドだったが... photo by JMPAこの記事に関連する写真を見る まるで日本代表のブラジル戦を見ているかのようだった。

 ワールドカップ準決勝、イングランドvsアルゼンチン。1-0でリードしたイングランドは後半27分、10分に値千金の先制ゴールを決めたFWアンソニー・ゴードンに代え、DFエズリ・コンサを投入した。

 このまま、逃げきりたい――。イングランド代表を率いる、トーマス・トゥヘル監督の狙いは明らかだった。

 左ウイングのゴードンと交代で入ったコンサを、右サイドバックのリース・ジェームズと右センターバックのジョン・ストーンズの間に置くことで、イングランドは最終ラインを4バックから5バックに変更。守備を固める策に出た。

 その交代が行なわれる前の時間帯、アルゼンチンは左右からのクロスにゴール前で合わせる、あるいは合わせかけるシーンをいくつか作り出していた。

 だからこそ、トゥヘル監督は最終ラインを1枚増やす決断を下したのだろうが、結果が出た今となっては、システム変更が裏目に出たと言うしかない。

 最終ラインの人数を増やしたはいいが、今度はクロスや縦パスの出どころを抑えられない。守る意識が強くなり、下がりすぎれば、その前のスペースが空いてくるのは必然の成り行きである。

 攻勢を強めるアルゼンチンは後半40分、ショートコーナーからつないだボールを受け取ったエンソ・フェルナンデスが狙いすまして右足でシュート。ゴール前を固めるばかりのイングランドの選手たちをあざ笑うかのように、その間をすり抜けたボールは、ゴールネットを揺らした。

 逃げきり狙いだったイングランドにとっては、ショッキングな失点だったに違いない。

 すると、一気呵成に逆転を狙うアルゼンチンの攻撃が迫力を増していく一方で、イングランドはますます後退するばかりで、ボールに寄せられなくなっていく。

 はたして後半アディショナルタイム、バイタルエリアでパスを受けたアレクシス・マック・アリスターが右足をひと振りすると、シュートはゴールの右ポスト下を叩いた。

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