「お前がラクして生意気だな」「あいつ若いくせに」厳しい言葉を浴びせられるも佐藤慎太郎が貫いた誇りとファンへの思い
競輪界を代表する大ベテラン、佐藤慎太郎 photo by Sunao Noto(a presto)この記事に関連する写真を見る佐藤慎太郎 インタビュー 前編
【目指すはGⅠタイトル】
佐藤慎太郎(福島・78期)は30年前のデビュー戦前日、師匠の添田広福(福島・49期/2008年引退)の自宅に呼ばれた。そこで佐藤は「一通りこの先の心構えの言葉をいただいた」という。正座をしてその言葉を聞き終わると、「では行ってまいります」と深々と頭を下げた。すると師匠は「ちょっと待て」と言い、ギターを持って「じゃあ、デビューするお前に贈る『狼の旅立ち』」と告げて歌い始めた。
添田は競輪選手でありながらも趣味が高じて『三本ローラーの詩』というレコードを発売するほどの才能の持ち主。『狼の旅立ち』(※音源未発表)は持ち歌のひとつで日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)時代に作った曲だった。勇ましい曲調の歌はこんな歌詞から始まっている。
「檻を出た狼達は
そこで何を誓うのか
眩し過ぎる光の中で
何を目指して走るのか」
(続く)
佐藤は突然の出来事に戸惑ったが、「素直にうれしかった」と話す。
こうして競輪の世界に旅立った佐藤は現在49歳。最高峰のレース「KEIRINグランプリ」に9度出場して優勝1回、GⅠ優勝1回、GⅡ優勝2回と輝かしい成績を挙げる選手となった。現在でも男子競輪選手約2200人のなかで最上位S級S班(9人)の次に来る、S級1班(約210人)に所属するなど、上位クラスで活躍している。
今年11月に50歳を迎えるが、気力はまったく衰えていない。「何を目指して走るのか」と問われれば、今も昔もGⅠタイトルだ。今年これから開催されるGⅠは、8月11日(火・祝)からのオールスター競輪、10月の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント、11月の競輪祭。そして年末には佐藤の地元・福島のいわき平競輪場で、KEIRINグランプリ2026が開催される。
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