【サッカー日本代表】セルジオ越後「協会はワールドカップベスト32敗退を失敗だと認めたくない。それが森保一監督の半年続投の理由だ」
半年間の続投が決まった森保一監督(左)と日本サッカー協会の宮本恒靖会長(右) photo by Aflo
「優勝」を目標に掲げながら、ベスト32でワールドカップを終えたサッカー日本代表。ほどなくして、日本サッカー協会は森保一監督の半年間続投を決定した。おなじみのご意見番、セルジオ越後氏はそのプロセスや賛否の声が聞こえてこない現状に、強い違和感を抱いている。
【日本代表の監督人事はいつからこんなに甘くなったのか】
森保一監督の半年間の契約延長。日本サッカー協会の判断と、それに対する世の中の反応には違和感しかないね。
プロの世界では結果がすべて。北中米ワールドカップで、彼は期待された結果を出せなかった。選手とともに公言していた「優勝」は現実的な目標ではなかったにしても、初のベスト8どころか、前回大会のベスト16を下回るベスト32で敗退した。普通なら責任問題になるよ。他のワールドカップ出場国を見ても、満足のいく結果を出せなかった国の監督のほとんどが批判にさらされ、辞めている。
一方で、日本がベスト32に終わっても「感動をありがとう」みたいな雰囲気になったのは、結局、応援している側も本気で優勝を期待していなかったんじゃないかな。少なくとも僕は、今回もベスト8進出できなかったことにガッカリしているけどね。「くじ運が悪かったから仕方ない」という声も聞こえてきたけど、組み合わせは事前にわかっていたのだから何の慰めにもならない。
では、なぜ協会は森保監督の半年続投を決めたのか。一番の理由はベスト32敗退という結果を失敗だと認めたくないからだろう。
森保監督を辞めさせれば、その結果を失敗だったと認めることになり、批判の矛先が自分たちにも向く。だから、反省や総括もそこそこに「感動をありがとう」ムードをうまく利用して続投させた。そうとしか考えられない。
日本代表の監督人事はいつからこんなに甘くなったのだろう。昔は加茂周さんがワールドカップ予選中に更迭されたこともあったのに。シビアに結果を求められるという意味では、Jリーグのクラブの監督のほうがよっぽど大変だよ。残留争に巻き込まれれば、シーズン中でも当たり前に解任される。
また、単純に比べられないかもしれないけど、野球も厳しいよ。今年のWBCで、日本は世界一を目指しながらベスト8で負けて、井端弘和監督は大会後に退任した。帰国前にすでに、「結果がすべてなので」と監督を辞める考えを明かしていたよね。
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著者プロフィール

セルジオ越後 (せるじお・えちご)
サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】


