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サッカー日本代表の「シャドー」とは何か 森保式システムの矛盾を象徴する定番なきポジション

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

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連載第111回
杉山茂樹の「看過できない」

 筆者はベネズエラ戦後、『サッカー日本代表の新戦力が機能しないのはなぜか ベネズエラ戦で露呈した「メカニズムの欠如」』というタイトルの原稿を執筆した。攻撃は毎度、選手のフィーリング頼みの出たとこ勝負。型や定番がない。だから新戦力が円滑にゲームに入りにくい、やり方が理解しにくい難解なサッカーに陥っている。それが非効率性を生み、試合展開を苦しくしている。ベストメンバー至上主義の弊害でもある、と。

 今回はその先に潜む根本的な問題に触れてみたい。森保式3(5)バック=3-4-2-1の特殊性についてである。

ベネズエラ戦で齋藤俊輔とともにシャドーとして先発した佐藤龍之介 photo by Miki Sanoベネズエラ戦で齋藤俊輔とともにシャドーとして先発した佐藤龍之介 photo by Miki Sano そのポジションのひとつであるウイングバック(WB)の特殊性については、過去に幾度となく言及してきた。WBに、4バックではサイドバック(SB)を務める選手ではなく、ウイングを務める選手を1列下げて起用している点だ。SBタイプを置く一般的な3-4-2-1とは趣を異にするその特殊性を、一部の浮かれやすいメディアは「超攻撃的3バック」と称し、森保一監督を持ち上げた。WBで起用される堂安律の守備が上達したことを、その産物として挙げた。

 だが堂安は、後方に下がり守備面で光っている間は攻撃に加われない。彼の最大の魅力は発揮されないことになる。相手のレベルが上がり、5バックになる時間が増えれば、堂安は文字どおりバックと化す。その守備力は鍛えられるかもしれないが、堂安本来の魅力は失われる。その瞬間、彼を起用する理由はなくなる。

 一方で堂安らウインガーたちは、森保式サッカーにおいて、2シャドーの一角(左)としてもプレーする。久保建英、伊東純也、中村敬斗らがこれに該当する。ウインガーの起用法は、WBとシャドーのふたつがある。同じサイドにウインガー系が縦に並ぶことも珍しくない。そこに定番はない。

 森保式2シャドーの選択肢は、これだけでは終わらない。ウインガーではないアタッカー、サイドアタッカー系ではないストライカー系の選手が2シャドーに収まるケースだ。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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