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【独占インタビュー】那須川天心が井上拓真との再戦に示す覚悟「僕が勝ったほうがボクシング界は面白くなる」

  • 杉浦大介●取材・文 text by Daisuke Sugiura

那須川天心は自分らしく、井上拓真との再戦に向かっている photo by Naoki Fukuda那須川天心は自分らしく、井上拓真との再戦に向かっている photo by Naoki Fukuda

那須川天心 独占インタビュー後編

那須川天心(帝拳)が再び王者・井上拓真(大橋)に挑むWBC世界バンタム級タイトルマッチは9月27日、両者が初戦を戦ったトヨタアリーナ東京で行われる。那須川がなぜ1年弱という短いスパンで再戦を決めたのか。また、再戦発表となった公開会見の場において、その進行などに不満を見せた理由は何だったのか。来る一戦への意気込みも含めて、那須川の心の内を後編でもお届けする。

前編〉〉〉「初黒星で何を変えたのか 井上拓真への雪辱に向けた"原点回帰"とさらなる進化」

【「早すぎとは思わないし、早いほうが面白い」】

――井上拓真選手との初めての対戦から1年弱でのリマッチ実現になりました。絶対に負けられない試合であるがゆえに、もう少し時間をかけて準備してもいいのではという声もありました。ご自身では今がベストの時期と思いますか。

那須川天心(以下、那須川) ここで負けているようじゃ、この先はないと思っています。本当にいつ決まってもいいように日々を過ごしてきましたし、チームも相当燃えています。人のさじ加減で僕は決めないんで、自分をしっかりと貫きたい。早すぎとは思わないし、早いほうが面白い。むしろこのタイミングのほうが「こんなに早く、よく自信を持ってできるな」みたいな感じで相手も怖いんじゃないでしょうか。

――ストーリー的にも早く実現させたほうが面白い?

那須川 面白いと思いますし、前の試合ではスパーリングなどでやってきた動きが半分も出せなかったというのもあります。それに一番キツい道というか、一番難しい道を選んだほうが、僕の人生には合っているかなと、すごく思いますね。そのほうが力も出るし、生き甲斐を感じます。毎日毎日、生きているって感じで、ゾクゾクしていますよ。

――同じ相手に連敗となれば、評価に大打撃です。そういった意味ですごくプレッシャーの大きな試合になると思うんですけど、でも楽しみである。

那須川 もちろん、楽しいだけではないですよ。恐怖もあります。その中間にずっといる感じが一番、僕は好きなんです。ジェットコースターに乗っている感覚でしょうか。次の試合は結構、恐怖度高めのジェットコースターですね。

――一般的に那須川天心といえば怖いもの知らずのイメージですが、やはり恐怖もある。

那須川 もちろん。でもそっちのほうが腹は括れる。恐怖を感じつつ、腹を括れる場所って普通に生きていたら、ほかにはあまりないんじゃないかな。あとは(好きな人に)告白する時くらいでしょう(笑)。種類は違えど、ちょっと似ています。ワクワク、ドキドキ、どうにでもなれと思える瞬間が好きなんで、そういう人生を送りたいなっていうのはあります。

――どういった部分が重要になる再戦だと考えていますか?

那須川 一つも気を抜いてはいけない戦いになります。距離を制するための見えないパンチの出し合い、空間の取り合いとか。あと、対相手だけではなく、対世間と言いますか、社会をどう巻き込んでいくかというところがテーマなのかなと思います。

――それは試合以外のところで? イベントとして大きくしたいということですか?

那須川 見てもらわないといけない試合だと思っています。1回負けて、そこから復帰するわけですから。格闘技としてだけではなく、負けたあとに、同じ選手を相手に再び戦う姿をいろんな人々に見ていただきたいと思っています。

――「ボクシングはほかの格闘技と比べてストーリー作りが足りないんじゃないか」という話もされていました。そういう部分を今戦でもしっかりやっていきたい?

那須川 その通りです。僕は日常生活と格闘技を分けてないので、格闘技が僕の人生になっています。だから長い目というか、(点ではなく)線で見てもらいたいですね。

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著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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