【独占インタビュー】那須川天心が井上拓真との再戦に示す覚悟「僕が勝ったほうがボクシング界は面白くなる」 (3ページ目)
【「見たことない物、見られますよ」】
――リング上でそういった意思を示すためにも、やはり拓真選手との再戦は重要になります。今回はKOしたいと話していたと思いますが、KO狙いですか?
那須川 KOを狙っています。自分の手で決着をつけたい。この試合は人の手に委ねられてはいけないと思うので、自分のために、今後のボクシングのためにも、しっかりと自分の手で決着をつけて、次に進みたいです。
――そういう仕様のボクシングをするということですよね?
那須川 そうなりますね。倒す。そこの思いは強く持ち続けています。
――そのスタイルで戦うと、自身のリスクも大きくなります。
那須川 そうですけど、そのくらいのスタンスのほうが、僕はちょうどいいのかなとかも思ったりします。どっちかというと守りのタイプなんで。自分からしっかり作って試合をしていくと思ったほうが合っていることは前戦のフアン・フランシスコ・エストラーダ戦で思いました。
――もともとのスタイルは守備的なんですね?
那須川 平和主義スタイル。性格もどちらかというと平和主義なんで、相手をぶちのめしてやろうとか思ったことは人生で一度もないですよ。人が憎いとかないし、ケンカもしたことないですから(笑)
――フルラウンドをどう戦って勝つかという考えも、頭には入れているんでしょうか?
那須川 ありますよ。ただ、KOで勝とうと思っていたら必然的に自分からポイントを取りにいくわけじゃないですか。自分で支配して、自分のスタイルでしっかり戦うということ。KOを狙い、その延長線上に判定勝ちがあると思います。
――今後のボクシング界にとって、拓真選手との試合では自分が勝ったほうがいいというご自身の考えは変わらないですか?
那須川 変わらないですね。いい勝負が見せられると思いますし、僕が勝ったほうがボクシング界は本当に面白くなると思っています。
――対戦決定後、SNSで発信した「見たことがない物、見られますよ」という言葉の意図は?
那須川 僕がリベンジに挑む初めての試合だし、勝ってほしい人もいるし、負けてほしい人もいる。そういういろんなものが混じったものが見られるわけじゃないですか。それってあまり世の中にはないですよね。例えば映画やコンサートを見に行けば、基本ハッピーになれますよね。コンサートに行って、悲しい気持ちになって帰る人ってあまりいないです。それが今度の試合では、拓真選手の応援をしている人は拓真選手を信じていて、僕を応援してくれる人は僕を信じている。その信じている者同士がぶつかるわけですよ。
――滅多にない非日常的なものが見られるということですね。
那須川 はい、負けたほうはダメージも大きいでしょうし、そういうものが見られるのはこういう試合だけかなと思っています。よくも悪くもそこまで感情が動くエンターテインメントはなかなかないと思うので、そういうものを見せたいし、見られるんじゃないかなと思っています。ボクシングの象徴でもある井上家への幻想を、僕が崩せるのか、崩せないのか。そこをしっかりと見ていただければと思います。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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