【男子バレー】石川祐希への仲間の信頼は絶対に揺るがない 「彼がこのチームをつくってきましたから」
感情のままに──。言葉を選ばなければ、「はしゃいでいた」。
試合後に記録席でサインを済ませ、歓喜の定番アンセム『Seven Nation Army』を合唱するチームメイトの輪に入るや、一緒にリズムに合わせて飛び跳ねる。続く表彰式ではメダルを首にかけられるや、左手で握り拳(こぶし)をつくって叫び声を上げた。
それは、海外でプレーしている時には見られたもの。しかし日本代表では、これほどまでに遊び心満載のリアクションを見せること自体が稀有だ。
石川祐希が珍しく喜びの感情を爆発させた photo by 東京スポーツ/アフロこの記事に関連する写真を見る バレーボール男子アジア選手権(福岡県北九州市)で優勝を飾り、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得したこの日、石川祐希(ジラート・バンク・アンカラ/トルコ)が我々の前に見せたのは、そんな姿だった。
試合後のミックスゾーンで、その時の心境を聞くと......。
「優勝して、やるべきことをやれたので、笑顔を見せてもいいかなと思ったので......」
そう答える石川は、少しばかり照れくさそうに映った。
もっとも、そこにあったさまざまな思いを、味方たちも汲んでいた。学生時代から長年、日本代表でもともに戦ってきた小野寺太志(サントリーサンバーズ大阪)はこう語る。
「そうですね、ファンのみなさんやメディアの前では、なかなか見せない姿だと(笑)。ですが、今日の試合は特に彼も苦しんでいたでしょうし、そのなかでも最後に得点を決めきって五輪の出場権をもたらしてくれたので。その思いが出た瞬間だったのではないかと思います」
うれしさはもちろん、同時に安堵もそこにあったと、チームメイトたちは口を揃えた。石川と同じアウトサイドヒッターの大塚達宣(パワーバレー・ミラノ/イタリア)も言う。
「みんなそれぞれ、いろんな思いを持って戦っていたと思うんです。だからほっとした気分のほうが大きいのかもしれません。石川選手もキャプテンとして、ひとりのプレーヤーとして、いろんな思いを抱えながら今シーズンを戦っているとは、近くで見ていて感じました。それを自身のなかでうまく消化しながら、このコートのなかでぶつけてくれたと思います」
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著者プロフィール
坂口功将 (さかぐち・こうすけ)
1988年生まれ。兵庫県出身。関西学院大学時代に「スポーツを
取材する」ことの虜になり、不動産会社を経て2016年春から日 本文化出版(株)「月刊バレーボール」編集部で勤務。 2023年末に独立し、バレーボールを中心に取材・ 執筆活動を行なう。小学生から大学生、国内外のクラブリーグにナシ ョナルチームと幅広いカテゴリーを扱うほか、 バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説 も務める。














