サッカー日本代表指揮官の7カ月続投 一般論では「あり」でも森保監督に「ノー」のこれだけの理由
連載第102回
杉山茂樹の「看過できない」
一般論としては、代表監督の任期が来年1月に開催されるアジアカップまで7カ月間延長されることについて、筆者は特に異存はない。それより、そうした変則的なスケジュールしか組めないアジアのサッカー界についてひと言、言いたくなる。ワールドカップの出場枠が8.5に拡大されても、本大会では16強にはひとつも残れない現実を直視すべきである。世界のお荷物になっている低レベルな現実を恥じる必要があるだろう。
このアジアと日本はどう向き合うべきか。32強に残った2チームの一方として、アジアカップ優勝を大真面目に目指すことが日本のサッカー界にとって本当にいいことなのか、考え直すタイミングでもある。敗れても決定的な痛手はない。森保一監督で臨んだ過去2大会はそれぞれ準優勝、ベスト8だった。優勝を逃しているが、特に大きな問題ではない。
来年1月のアジアカップまでの続投が決まった森保一日本代表監督 photo by JMPA 実力的にはアジアで1、2番。悪くても3番、4番には入る。それは確かな事実だが、前回はベスト8に沈んだ。欧州組主体のオールスターキャストで臨みながら、だ。内容も悪く、監督力が問われる結果に終わった。しかし、サッカー協会は動かなかった。解任の素振りさえ見せなかった。所詮はアジアカップだからだ。本来は動くべきだった。森保監督の力不足を見抜くべき時だった。
アジアカップを重視するのか。軽視するのか。今回の判断を見ると、より軽視する方向に傾いたと考えるのが自然だろう。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。


