【サッカー日本代表】松木、塩貝の初ゴールにも、セルジオ越後「評価は難しい」森保采配も「何も変わっていない」
代表デビューとなったウルグアイ戦で先制ゴールを決めた松木玖生 photo by Kyodo News
北中米ワールドカップでベスト32に終わったサッカー日本代表が、再スタートを切った。親善試合4連戦の初戦となったウルグアイ戦は、相手に押し込まれる時間が長いなか、3-1で勝利。新戦力が結果を残した一方、試合内容には課題も見えた。この一戦を、おなじみのご意見番・セルジオ越後氏が振り返る。
【前半も後半も相手に主導権を握られていた】
得点自体はどれもすばらしかったよ。11分には、代表デビュー戦の松木玖生が先制ゴール。アディショナルタイムには、途中出場の塩貝健人が代表初ゴールを決めた。さらに、リードを許して前がかりになったウルグアイを相手に、上田綺世がカウンターからとどめを刺した。
ただ、結果を残した新戦力がいたことは収穫だけど、内容には多くの課題が残った。そういう試合だった。
前半も後半もウルグアイが主導権を握る時間が長く、GKの早川友基と最終ラインが必死に守っていた。個人的には、佐野海舟、佐野航大のダブルボランチには期待していたけど、彼らもよくなかったね。ゲームをつくるわけでもなければ、相手を潰しにいくわけでもない。1対1で負けていたし、プレッシャーをかけてもボールを奪えないから、チームとして前に進めなかった。兄弟同時先発という話題性はあったけど、インパクトは残せなかった。
森保一監督の采配も変わっていない。鈴木唯人、松木、佐野航という新鮮な顔ぶれを先発で使ったけど、危なくなったら"レギュラー組"をどんどんつぎ込んでいく。結局、レギュラー組を投入しないと、試合の流れを立て直せない。ワールドカップから何も変わっていないということだ。
疑問だったのは、前田大然のワントップ起用。彼が北中米ワールドカップで機能したのは左シャドーのポジションであって、トップではない。そして、彼の最大の持ち味は決定力ではなく前線からの守備。ホームでの親善試合で前田をワントップに起用するというのは消極的すぎる。
勝った試合だけど、MVPは誰かと聞かれると困る。誰がよかったかと言われても、すぐには名前が出てこない。内容的にも押されている時間が長かったし、8人を交代させた試合では選手の評価も難しい。
松木は先制点を奪ったけど、それ以外は何もしていない。消えている時間が長かった。松木に代わって入った伊東純也にしても、松木を上回ったかといえば、そうでもない。決勝点を決めた塩貝にしても、僕から見れば点を取っただけ。あの1点だけでレギュラーとはならない。後半38分に交代で出場したのも、誰かを入れれば何とかなる、という起用だったのではないか。しかも8人目の交代だから、交代枠が5人の公式戦なら出場機会はなかっただろう。
堂安律も久保建英も、それほどよくなかった。あえてよかった選手を挙げるなら、後半から入った鎌田大地かな。彼が入ったことでゲームをつくれるようになり、少し流れがよくなった。前線へのスルーパスも増え、勝利にも貢献した。ただ、MVPとなると今回は難しい。
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著者プロフィール

セルジオ越後 (せるじお・えちご)
サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

