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サッカー日本代表にとって教科書となるチームも チャンピオンズリーグ上位陣の戦いを振り返る

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 パリ・サンジェルマン(PSG)対アーセナル。5月30日(現地時間)にブダペストで行なわれるチャンピオンズリーグ(CL)決勝が迫ってきた。2年連続決勝出場を果たしたPSGに対し、アーセナルは2005-06シーズン以来、20年ぶり2度目の出場だ。英国の大手ブックメーカー、ウイリアムヒル社の予想オッズによれば、PSG勝利が2.3倍、引き分けが3.1倍、アーセナル勝利が3.2倍。PSG優位の予想だが、その差はわずか。文字どおりの接戦予想である。

 トーナメント戦ではよく「事実上の決勝戦」という表現が用いられる。決勝戦の前段階に当たる準々決勝、準決勝あたりで、前評判の高かった2チームが直接対決することになった時がそのタイミングになるが、今季はそれが前段階ではなく、まさに決勝戦にピタリと一致することになった。

 優勝候補の1番手と2番手が決勝で対戦するケースは、よくある話ではない。ブックメーカーの予想がきれいに2分されたケースといえば、2008-09シーズンの決勝戦(バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド)まで遡る。

チャンピオンズリーグ連覇に挑むパリ・サンジェルマン photo by AP/AFLOチャンピオンズリーグ連覇に挑むパリ・サンジェルマン photo by AP/AFLO いやが上にも期待は高まる。オーソドックスな4バックから攻撃的なサッカーを仕掛ける両チームだ。大きな戦力差もなければ、目指す方向性もほぼ同じ。昨季のインテルのように、一方が守備的に偏ることもない。好勝負必至だ。噛み合いのいい、高度な撃ち合いになることが予想される。サッカーの可能性を広げる、競技性の進歩発展に貢献する一戦という見方もできる。サッカー関係者、必見の試合と言える。

 アーセナルはシーズン序盤から好調だった。CLではリーグフェーズを8戦全勝で首位通過したのに対し、PSGはもたついた。11位となってプレーオフに回り、モナコを大接戦の末に下しての決勝トーナメント進出だった。

 そこからジワジワと勝ち上がる姿は、優勝した昨季と同じパターンだ。CLでは「シーズン終盤に調子のピークを持ってこないと、タイトルは取れない」とは、筆者がこれまで幾度となく述べてきたことだが、昨季のPSGはそれを実証した。今季も同じ方法論で2連覇を狙う。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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