逆転レアル、大敗ローマ。
CL2試合にみる「サッカーは布陣で決まる」 (5ページ目)
結果は見えたも同然だった。ひと言でいえば、ローマは両サイドで1対2の数的不利に陥る、5バックになりやすいサッカーだ。しかし、両ウイングバック(左アレクサンダル・コラロフ、右アレッサンドロ・フロレンツィ)は、それでも頑張って前に出ようとする。するとその背後が空く。自慢の3トップを擁するリバプールは、そこをしきりに突いた。
3-4-1-2は4-3-3に弱い。ピッチには、まさに公式通りの姿が描かれた。前半を終了してスコアは3-0。しかも、ディ・フランチェスコは、後半が始まっても、布陣を従来のやり方に戻さなかった。スコアはぐんぐん開いていき、後半24分には5-0となった。決着はついたものと思われた。
しかし、サッカーは布陣でするものだ。終盤、ローマはようやく布陣を変えた。3-4-1-2から4-3-3へ。すると、流れは面白いようにローマに傾いた。後半36分、40分と立て続けにゴールを奪い、スコアは5-2で第1戦を終えた。
来週のホーム戦で、3-0あるいは4-1なら逆転だ。可能性がないわけではない。しかし、せめて2点差以内に収めたかった。ディ・フランチェスコが間違いに、もう少し早く気づいていれば――、ジダンのように後半頭から変えていたなら――と言いたくなる。これは采配ミスが招いた大敗だ。
準々決勝対バルサ戦に続く2匹目のドジョウがいるかどうかは布陣次第。バルサ戦を上回る超攻撃的サッカーで臨まない限り、大逆転劇は発生しないだろう。
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