【プレミアリーグ】アーセナル4冠も視野に 立役者ミケル・アルテタの「指導力」の原点を探る
アーセナル指揮官ミケル・アルテタとは(前編)
3月に入り、2025-26シーズンも残り3カ月となった。プレミアリーグのタイトルレースは、アーセナルが昨年10月から首位を守ったまま終盤戦を迎えている。22年ぶりのプレミア優勝を狙うチームは、チャンピオンズリーグ(CL)でもリーグフェーズ1位での16強入り。国内外4冠(プレミアリーグ、CL、FAカップ、リーグカップ)の可能性も残されている今季、その安定した強さは欧州随一とも言える。
最大の功労者は、就任7年目のミケル・アルテタ監督にほかならない。従来の攻撃力に加え、アルテタのアーセナルは守備の堅さでも知られるようになった。プレミアでの計22失点(30試合消化時点)と、CLでの計4失点(リーグフェーズ全8試合)は、いずれも今季出場チーム中最少。一方、すでに計19得点(PKを除く)を記録しているセットプレーからの得点は、その重要性が見直されているプレミアでも、昨季に続いてリーグ最多の数字が見込まれる。
プレミアリーグで前節、ブライトンを破ったアーセナルのミケル・アルテタ監督 photo by Reuters/AFLO 当の指揮官は、今季前半の会見で言っていた。
「最高水準を目指す姿勢は、あらゆる側面に共通している。攻守が入れ替われば、敵のトランジションに最善の対処ができるチームでありたい。(セットプレーで)相手ボックス内に混乱を生み出すことにかけても、一番でありたい。ポジショナルプレーに基づく攻撃においても、ローブロックでの守備においても、最強のチームが目標。その手段を探求し続ける意欲を持ち続けてこそ、チームに成長と進化をもたらし、敵に手の内を読まれることなく、より効率よく戦うためのツールを選手たちに与えることができる」
アルテタという監督は、飽くなき向上意欲の持ち主だ。それは指導者を志した当初から変わっていない。
今から10年前、UEFAプロライセンス取得コースの一環として、アーセナルのアカデミーで実習をこなしていた当時の彼を知る人物に、U-16チームを指導していたヤン・ファン・ローンがいる。現在はフリーの立場で、コーチの育成コンサルタントを務めるベテラン指導者が、懐かしそうにアルテタとの共同セッションを振り返ってくれた。
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