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【プレミアリーグ】アーセナル4冠も視野に 立役者ミケル・アルテタの「指導力」の原点を探る (2ページ目)

  • アルトゥル・レナール●文 text by Arthur Renard
  • 山中忍●翻訳 translation by Shinobu Yamanaka

【「子どもたちの名前を覚えるのに10分かからなかった」】

「ミケルの向上心には目を見張るものがあった。コミュニケーションひとつをとっても、もっと効果的なやり方があるんじゃないか、チームや個々の選手に自分が何を求めているのかを、より明確に伝えられるようになるにはどうすればよいのかと、常に改善を心掛けていた。そのためには、努力も時間も惜しまない。

(適度な緊張感を維持するうえで役立つ)テンション・マネジメントや、ストレス管理の専門家にもアドバイスを求めようとするのが、彼。選手の内面を言葉や仕草から察知することは、求めるパフォーマンスを引き出すうえで役に立つ。指導者としてのミケルの歩みは、自分自身、そして選手や周りのチームスタッフを成長させるためのプロセスの繰り返しさ」

アーセナルのアカデミー指導者時代のヤン・ファン・ローンアーセナルのアカデミー指導者時代のヤン・ファン・ローン 2016年当時のアルテタは、アーセナルのMFでありクラブキャプテンでもあった。だが、当人のなかでは、すでに監督という第2のキャリアへの道が選択されていた。ファン・ローンが説明する。

「毎週金曜日、アカデミーの練習施設で行なわれる地域の児童向けサッカースクールに、よく自分の息子たちを連れて来ていてね。お互い、トップチームの施設でユースの練習が行なわれた時に面識もあった。顔を見れば立ち話をするようになっていて、ある日、ライセンス取得に必要な実習を、私が担当しているU-16チームでできないかと相談されたんだ」

 快く聞き入れたオランダ人コーチは、模範的なスペイン人"実習生"をチーム練習に迎え入れることになった。

「初めからスムーズだった。ミケルは、練習グラウンドに立つとすぐに、率先して指導に当たっていた。子どもたちの名前を覚えるまでに、10分とかからなかっただろう。それだけでもたいしたものだ。アプローチは極めてポジティブ。彼が、『さっきのプレーはすごくよかったから、同じようなやり方をこの場面でもやってみたら?』と言えば、選手たちも『はい! やってみます!!』という感じでね。各自の性格まで把握して、練習中、その子に合ったやり方で助言や指示を与えるのがうまかった」

 キーポイントは「対話」になる。ファン・ローンが続ける。

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