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【プレミアリーグ】アーセナル4冠も視野に 立役者ミケル・アルテタの「指導力」の原点を探る (4ページ目)

  • アルトゥル・レナール●文 text by Arthur Renard
  • 山中忍●翻訳 translation by Shinobu Yamanaka

「結果として守備チームのプレッシングが効果的になると、攻撃チームへのアドバイスも忘れていなかった。プレッシャーを受けて後方からのビルドアップが難しくなった選手たちに、どちらの足で、どの程度のスピードでパスを出せばいいか、味方のMF、あるいはFWへのくさびを入れやすいポジショニングと体勢、フィードかロングキックかのGKの判断について......。その場その場で、選手たちと対話しながらフォローしていたよ」

 ポジション取りに関しては、「ミリ単位の細かさだった」と強調して微笑むファン・ローン。アルテタのきめ細かさにも感心したという。

「『ボールがここに出たら、こうすればいいし、あそこに来たら、こうすることができる。OK?』と説明しながら、実際にその位置まで一緒に動き、『そう、今だ! このタイミング!』『ストップ! 1メートルほど前に出すぎ。ちょっと戻って』といったアドバイスを与える。選手たちは、実用的で、しかも非常に細かいコーチングを受けることができた」

 ファン・ローンは、アルテタの指導に触れたユース選手たちの様子も忘れられないと言う。

「『信じられない!』というような表情で、みんな顔を見合わせていた。ミケルは、アーセナルのキャプテンでもあったからね。彼らは、そんな大先輩から、自分たちの持ち味を尊重してもらえたうえ、とても細かい部分まで教えを受けることができたんだ。無理を強いられたような選手もいなければ、物足りないと感じていたような選手もいない。それだけ充実した指導を、初対面にも近いアカデミー生に対してでも行なえる指導力が、彼には備わっていたわけさ」
(つづく)

ミケル・アルテタ
1982年、サン・セバスティアン生まれ。現役時代はレンジャーズ、レアル・ソシエダ、エヴァートン、アーセナルでプレー。引退後、マンチェスター・シティのコーチを経て、2019年、アーセナルの監督に就任。

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