【FIFAワールドカップ】優勝を狙うイングランドのキーマン デクラン・ライスが持つ最高の技術とは?
西部謙司が考察 サッカースターのセオリー
第96回 デクラン・ライス
日々進化する現代サッカーの厳しさのなかで、トップクラスの選手たちはどのように生き抜いているのか。サッカー戦術、プレー分析の第一人者、ライターの西部謙司氏が考察します。
FIFAワールドカップ2026で優勝候補として注目されるイングランド。そのカギを握るのはMFデクラン・ライスのプレーのようです。その理由と彼をトップクラスたらしめる技術について解説します。
【「6番」でも「8番」でもプレーできる】
今やイングランド代表の「8番」のポジションと言えばデクラン・ライスである。
イングランド代表としてW杯での活躍が楽しみなデクラン・ライス photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る MFの色分けとして「6番」は中盤底のアンカーポジション、「10番」はセンターフォワード(CF)に近いセカンドトップ、その中間が「8番」となっている。イングランドに限らず、このポジション番号は広く使われているが、基はオランダだと思う。
オランダのポジション番号はGKが1番、DFは右から2、3、4、5番と機械的につけられていて、6番はセンターハーフ。WMシステム時代の5トップの右から7、8、9、10、11番がそのまま残っている。
イングランドで背番号6と言えば、1966年W杯優勝時のキャプテン、ボビー・ムーアだった。ムーアはウエストハム、イングランド代表で6番を着けてセンターバック(CB)としてプレーしていたから、イングランドの6番はむしろCBのイメージが強い。ウエストハムでは2008年から6番は永久欠番になっている。
デクラン・ライスはかつてムーアがプレーしたウエストハムでデビューした。"ハマーズ"では4-1-4-1システムのアンカーとして名をあげ、2023年にアーセナルへ移籍。つまりライスは「6番」の選手だった。
しかし、アーセナルでは「8番」の選手になっている。マルティン・スビメンディが「6番」、マルティン・ウーデゴールやエベレチ・エゼが「10番」である。イングランド代表でも「6番」は新鋭のエリオット・アンダーソン。ライスは不動の「8番」となった。
4-2-3-1システムの場合、「6番」と「8番」に明確な違いはない。ただ、「8番」のほうがより攻撃的で、その点でまさに「6番」と「10番」の中間であり、両者を連結する役割を担っている。
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著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
























