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堂本光一「F1のよさが消えてしまった」今シーズンの新レギュレーションに思うことを語る

  • 川原田 剛●取材・文 text by Tsuyoshi Kawarada

堂本光一 F1インタビュー

 2026年シーズンのF1は大きなレギュレーション変更が実施され、マシンが大きく変わった。なかでも最も大きな変更がパワーユニット(PU)だ。MGU-K(運動エネルギー回生システム)の電気エネルギー出力が大幅に引き上げられ、エンジンと電気モーターがほぼ半々でパワーを供給することになった。

 それによりドライバーの戦い方も大きく変わった。マシンやコースを限界ギリギリまで攻めるという純粋なドライビング技術ではなく、いかに効率よく電気エネルギーをマネジメントするかが重要になってきている。

 新しいF1の姿にドライバーや世界中のファンからさまざまな声が上がっているが、開幕から3戦が終了した今、日本のF1ファンを代表して堂本光一さんに新レギュレーションのF1について話を聞いた。

F1の新レギュレーションについて語った堂本光一さん photo by Ryo HiguchiF1の新レギュレーションについて語った堂本光一さん photo by Ryo Higuchiこの記事に関連する写真を見る

【新旧ファンの間に存在する温度差】

 3月末に鈴鹿サーキットで開催された日本GPが終わり、開幕から3レースが行なわれたわけですが、新しいレギュレーションのF1の見方、楽しみ方がまだわかりません。

 今年の日本GPには3日間で合計31万5000人ものお客さんが集まり、大いに盛り上がりましたが、おそらく新しくF1を見始めた人たちにとっては抜きつ抜かれつのバトルが展開される"ヨーヨーレース"は楽しいと思います。

 電気エネルギーを使えば一時的にパワーが出ますので前のマシンを抜くことができますが、エネルギーを使いきってバッテリーが空になればパワーが落ちて後続車に抜き返されてしまいます。そうやって目まぐるしくポジションが入れ替わるヨーヨーのようなレースは見た目も派手で、エキサイティングです。

 新レギュレーションのF1は新規のファンに対しては成功しているという言い方ができるのかもしれませんが、昔からF1を見て楽しんでいる人たちからすると、純粋なレースを見ているような気持ちになれないところがあります。

 僕がレースを観戦する際には、テレビのモニターで映像を見ながら、レース中の各車の順位、ラップタイム、前車との差などをリアルタイムに表示するライブタイミングをチェックしています。

 これまでのF1はある意味、レースの映像よりもライブタイミングを見ていればレースの流れがよくわかりました。たとえば、「このドライバーはラップタイムに一貫性がないからマシンの状況がよくないな」とか、「ラップタイムが落ちてきたのでそろそろピットインだな。ということは2ストップ作戦だ」などと、ラップタイムを追っていると各チームのマシン状況や戦術が見えてきました。

 そこが面白かったのですが、新しいF1はライブタイミングを見ているだけではレースの展開がよくわからない。むしろ小難しいことを考えず、レースの映像を見ていれば、いたるところでバトルはあるし、まだ新しいレギュレーションにうまく対応できず、スタートできなかったり、マシントラブルやクラッシュが発生したり、予期せぬハプニングがいろいろあって目が離せない......。

 そんなレース展開になっているのですが、昔からのファンはそういう人工的なバトルや面白さを求めていないような気がします。もっと落ち着いてレースが見たいし、ちゃんとスポーツとしてのレースをしてほしいと思っているはずです。

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著者プロフィール

  • 川原田剛

    川原田剛 (かわらだ・つよし)

    1991年からF1専門誌で編集者として働き始め、その後フリーランスのライターとして独立。一般誌やスポーツ専門誌にモータースポーツの記事を執筆。現在は『週刊プレイボーイ』で連載「堂本光一 コンマ1秒の恍惚」を担当。スポーツ総合雑誌『webスポルティーバ』をはじめ、さまざまな媒体でスポーツやエンターテイメントの世界で活躍する人物のインタビュー記事を手がけている。

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