【F1】アロンソの目に光が戻ってきた「アップデート投入まであと4〜5戦、苦しいレースに耐えるだけ」
F1第6戦モナコGPレビュー(後編)
限界まで攻めるのは、レースの世界においては当たり前のことだ。
しかし、その当たり前のことすら難しいのが、モナコGPの週末のアストンマーティンだった。
低速コーナーではひどいアンダーステアでマシンが曲がっていかず、ブレーキング時にはギアボックスやエンジンブレーキの制御が不安定。結果としてドライバーはコーナーで攻めることができない。ミリ単位でガードレールとの距離を縮めていかなければならないモナコだからこそ、不利な状況は大きくなった。
彼らが期待していたのとは違い、モナコはマシンパッケージの不利を覆い隠すサーキットではなく、むしろマシンパッケージの問題点を際立たせるサーキットだったのだ。
アロンソが10位に入って今季初ポイントを獲得 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る「厳しいのは今シーズンずっとだけど、モナコではいろんな要素がいつも以上に厳しかった。ほかのサーキットならこういう問題が起きてもコースオフするだけでいいけど、モナコのようなサーキットではコーナーごとに挙動が違うので、ドライブするのはかなり難しいよ」(ランス・ストロール)
ストロールがクラッシュを喫したのも、思ったようにエンジンブレーキが効かず、うしろから押されるような挙動になってしまったためだ。
ヌーベルシケインでも4回にわたって止まりきれずに飛び出し、5秒加算ペナルティを科されていた。しかし最終コーナーにはランオフエリアがないため、予想外のブレーキ挙動が即座にクラッシュへとつながってしまった。
「エンジンブレーキに問題を抱えていて、ラップごと、コーナーごとに挙動が異なっている。うしろからプッシュされるような挙動の時もあれば、引っ張られるような挙動の時もあったりして、クラッシュした時もうしろから押されるような形になった。スロットルペダルは50パーセントくらいしか踏んでいなかったのに、ウォールにまっすぐ行ってしまった」
そう語るストロールと同じように、フェルナンド・アロンソもマシンと格闘していた。
「ものすごくクラッシュしやすい状態だった。ドライブするのは大変だったよ。19位を走っていてクラッシュすれば、テレビではバカみたいに見えてしまうし、実際にFP1では3秒も遅いのに、シケインのブレーキングでウォールにクラッシュしたりもした。だけど、それは自分のドライビングスキルのせいではなく、マシンがものすごく難しくてギリギリの状態だったんだ。
3周目にピットインして最後まで走りきろうとしていたから、その難しいクルマで50周か60周、オールドのタイヤで走っていたわけで、余計に厳しかった。でも、赤旗が出たおかげでいろんなことが起きたし、僕らのレースも少しラクになった。今日はベストを尽くしたよ」
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。


