サッカー日本代表は先発選手が交代すると選択肢が枯渇 アイスランド戦後半の采配を問う
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連載第94回
杉山茂樹の「看過できない」
何と言ってもアイスランド戦は緊張感に欠けていた。国立競技場はオールスターゲームを連想させるお祭りムードに包まれた。壮行試合という、いまひとつ定義の曖昧な一戦をどう活用するか。ちなみに前回2022年大会の際は行なわれていない。2018年大会の壮行試合はガーナ戦で0-2の敗戦。2014年大会はキプロス戦で1-0の勝利。2010年大会は韓国戦で0-2の敗戦だった。
騒動になったのは2010年で、韓国に敗れると岡田武史監督の解任騒動まで発展した。2018年大会のガーナ戦は、直前に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチの後任として新監督に就任した西野朗監督の初戦ということもあり、慌ただしいなかで行なわれた一戦だった。
アイスランド戦の後半、選手を次々と交代させた森保一監督 photo by Toshio Yamazoe 今回、類似しているのは2014年のキプロス戦だ。壮行試合に絶対に負けそうもない格下の相手を選んだという点で一致する。コンセプトは「波風を立てるな」か。強化試合的な要素は限りなく薄かった。
これは誰の発案なのか。吉田麻也を臨時に招集した挙げ句、主将バンドを巻かせて先発。12分間プレーさせ、さらにピッチをあとにする際には、両軍選手がアーチを作って送り出すという演出しかり、である。親善試合の色を強めようと画策したのは誰なのか。その結果、日本はブーイングのひとつも浴びずに、ほんわかムードのなか、現地に向けて旅立って行くことになった。罪作りなことをしてくれたものだ。
酷かったアイスランド戦の試合内容を指摘する人は少ない。メディアも応援しているようで他人事だ。日本代表報道に必死さ、真の熱を感じることはできない。
前半の、特に立ち上がりの部分は日本が攻めアイスランドが守る展開だった。だが、時間の経過とともにアイスランドが盛り返す。後半に入るといい勝負になった。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。


