林陵平×岩政大樹が語ったワールドカップ初戦の核心 「キーマンは前田大然」でオランダ撃破へ
スポルティーバのYouTubeチャンネルで連載中の「林陵平のフットボールゼミ」が記念すべき第100回を迎えた。特別ゲストとして招かれたのは元日本代表センターバックの岩政大樹さん。日本代表のワールドカップグループリーグ初戦、オランダ戦の戦術的な部分を中心に掘り下げて語った。
【左シャドーの「空白」を埋めるのは誰か】
まず話題になったのは日本代表26名の選考だ。岩政さんは「三笘薫選手がいないところはかなり悩まれただろうな、というのが伺い知れるメンバーだった」と率直に語った。三笘の離脱に加え、シャドーを担う鈴木唯人も鎖骨骨折からの復帰途中でメンバー入りと、攻撃の核となるポジションに人材が集まらない台所事情が浮き彫りになった。
その一方で、ボランチを4人に絞り、フォワードには上田綺世、小川航基、後藤啓介、塩貝健人の4枚を確保した構成から、林さんは「3-5-2をやるんだろうなというのは感じる」と指摘。岩政さんも同意し、相手に持たれる展開を想定したうえでカウンターと守備の強度を重視した選考だという見方を示した。
3-4-2-1システムにおける左シャドーの人選が、オランダ戦を読み解く最大のカギになるという。林さんはボードを使いながら「森保さん的には、前田大然をシャドーに入れてくる可能性がある」と示唆。岩政さんもすぐに「ありそうな気がする」と応じた。
理由は明快だ。オランダはデンゼル・ダンフリースが右サイドを高い位置まで駆け上がるスタイルを取る。そのダンフリースと右センターバックのヤン・ポール・ファン・ヘッケを同時に見なければならない左シャドーには、守備での2度追いと広大なスペースへのスプリントが求められる。その結果、「走れる選手がここに絶対必要」という結論が一致した。
ハイプレス時の構造上、左シャドーがセンターバックにプレスをかけにいった直後、ダンフリースが背後へ抜け出すシーンが生じやすい。そのカバーをこなせる機動力と守備強度を兼ね備えた前田の名前が、議論のなかで繰り返し挙がった。
日本の最大の武器は序盤のハイプレスだ。3-4-2-1の構造はマンツーマン気味に相手を追いやすく、1トップの上田が中盤のフレンキー・デ・ヨングへのパスコースを消し、2人のシャドーが2人のセンターバックへ圧力をかける形は戦術的に筋が通っている。
ただし、岩政さんが「一番ここが不安」と語ったのは、ハイプレスを外されたあとで5-2-3の形で後ろに下がって構えざるを得なくなった局面だ。
「(そうして)セットしてしまったら、(前にボールを取りにいく)スイッチかからない」
オランダのフィルジル・ファン・ダイク、ファン・ヘッケ、デ・ヨングによる三角形のボール循環を前に、日本はプレスの出どころが掴めなくなるリスクがある。さらに、オランダのプレス回避の縦パスがブライアン・ブロビーのような身体能力の高いストライカーに収まった場合、一気にピンチを招きかねない。
1 / 2


