高校サッカーから補欠がいなくなった 部員全員が試合に出る取り組みが進んでいる
高校サッカーの全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が福島県で行なわれ、静岡学園(静岡県)が優勝を果たした。今大会で上位に進出したチームを見ると、補欠をつくらないチーム運営で、各選手がたくさんの試合経験を積むことで成長する姿が見られた。大会を取材したライターが、近年の高校サッカー部活事情をレポートする。
【大勢の選手が試合経験を積んで成長する】
インターハイ初優勝を果たした静岡学園だが、頂点までの道のりは決して平坦ではなかった。
高校サッカーのインターハイで優勝した静岡学園 photo by Masayoshi Moritaこの記事に関連する写真を見る 大会直前に10番のMF松永悠輝(3年)と司令塔のMF杉ノ原芽生(2年)が負傷。初戦(2回戦)の試合開始直後には主将のMF足立羽琉(3年)、準決勝では初戦からスタメン出場を続けたDF小田切颯佑(3年)も戦線離脱を余儀なくされた。大会登録の28人には他にも負傷した選手がいたため、普段戦っているリーグ戦(プリンスリーグ東海)とはメンバーが大幅に異なり、理想とするテクニカルなサッカーはできない試合も多かった。
だが、代わりにチャンスを得た選手が奮闘。準決勝と決勝とでスタメン5人を入れ替える層の厚さを見せ、粘り強い勝ち上がりを支えた。
急きょスタメンに抜擢されても活躍できる選手がいるのは、日頃から試合経験を積んでいるからだ。
「とにかく試合を経験することで選手は成長する。ベンチに置いておくぐらいなら下のカテゴリーの試合で使う」(川口修監督)という考えのもと、Aチームの公式戦に出られなかった選手は日程が重なっていなければ下のカテゴリーのリーグ戦で積極的に起用される。また、控え選手に試合経験を積ませるため、公式戦の翌日に練習試合を組むことも多い。
準々決勝でAチーム初のスタメン出場を果たしたMF高丘泰昂(3年)は、4月末まではBチームで試合に出ていた選手だ。それまでトップチームに絡めずにいたが、実戦の場数を踏んで成長し、5月からAチームに引き上げられた。
主力の選手だけでなく、大勢の選手が出場機会を得て成長する機会が設けられているのは、リーグ戦が整備され、複数チームの出場が認められている高校サッカーのよさと言えるだろう。
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著者プロフィール
森田将義 (もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。












