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高校サッカーから補欠がいなくなった 部員全員が試合に出る取り組みが進んでいる (2ページ目)

  • 森田将義●取材・文 text by Masayoshi Morita

【私設リーグの活用】

 準優勝の近大附属(大阪府)も、また違った形で全部員に試合経験を積ませ、チーム力の向上につなげてきたチームだ。

 昨年まではAチームからDチームまでリーグ戦に参加していたが、Aチームがプリンスリーグ関西2部から大阪府1部リーグに降格したため、下のカテゴリーが玉突きで降格となり、Dチームに公式戦の舞台がなくなってしまった。

 そこで、「全員が必ず1週間に1試合は経験してほしい」と話す寺師悠斗監督がとった策が、有志が集まって行なう私設リーグの活用だ。公式戦に出られない3年生は、各校のBチームの選手が真剣勝負を重ねる場として四国のチームを中心に行なわれているリーグ戦に参加。2年生は同じ狙いで、関西の10チームによって行なわれている2年生のリーグ戦に参加している。

 1年生はより細分化されている。全国大会にもつながっている『グロイエン』という関西U-16リーグを頂点に、関西規模から大阪府規模まで計4つの私設リーグに参加。「1年生だけで約80人いるので、1カテゴリーにつき20人ずつのイメージでチームを編成している。これだけ大会に参加しているチームは珍しいと思う」と寺師監督は口にする。

 私設リーグであっても選手の本気度は高い。これまでは1学年で70人近い部員が入部してきても、週末の試合がないと練習を頑張るモチベーションが上がらず、毎年20~30人ほどが辞めていた。しかし、全部員の出場機会を確保するようになってからは、辞める部員がいなくなったという。

 他部活とグラウンドを共有する都合上、下のカテゴリーは朝練だけで終わる日も出てくるが、空いた放課後の時間を活用し、勉強や日常生活を充実させる部員が増えたのもメリットだ。

 主力以外にも均等に成長の場が与えられる効果は大きい。今大会、2回戦から3試合連続でゴールを奪い、ブレイクを果たしたFW久下彬(3年)は県大会でベスト16に進むのがやっとの公立中学出身だ。推薦ではなく一般入部だったこともあり、1年生のなかでも3番目のチームで試合経験を積んできた。

「部員数が多い近大附属にはカテゴリーがたくさんあり、試合をいっぱい組んで一人ひとりが活躍する場を作ってもらえている。決してレベルの高いリーグではないのですが、アピールの場だと思っていた。上に上がるきっかけになればと思って全力でプレーしていました」

 そう語る久下は、出た試合で強みを伸ばそうと意識していたという。2列目で躍動したFW山本翔大(3年)も1年生カテゴリーのAチームでは試合出場できず、2年生になってからも公式戦に出られなかったが、私設リーグで飛躍の機会をつかんだ選手だ。

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