堂本光一「F1のよさが消えてしまった」今シーズンの新レギュレーションに思うことを語る (2ページ目)
【F1らしさを取り戻してほしい】
F1は最先端技術が搭載されたマシンで、スピードの限界に挑むレースであってほしい。F1というスポーツが誕生した時から、つねにスピードの限界を求めてきたと思います。そのなかでドライバーが自らのテクニックを発揮し、ライバルたちと攻防を繰り広げていました。
しかし、今はどうやったら電気エネルギーを効率よく使って走れるのか、ということばかりに重きが置かれ、昔からのF1ファンを置き去りにしているような気がしています。
F1の醍醐味は驚異的なスピードで駆け抜けていくコーナーリングだと僕は思っています。F1は究極のコーナリングマシンです。でも今のF1ではコーナーで充電のためにスピードを落とし、直線でタイムを稼ぐというレースになっています。
新しいマシンでは、コーナーを攻めれば攻めるほどタイムが遅くなってしまうという現実があります。でも直線だけのスピードで言えば、F1よりも速いカテゴリーはあります。それこそオーバルを走行するアメリカのインディカーはそうですよね。
電気エネルギーをいかに効率よく使って走るのかというレースに関しても、世界耐久選手権(WEC)や電気自動車のフォーミュラEがあります。F1も同じ方向に行かなくてもいいのではないかなと僕は思っています。
新しいレギュレーションの導入によって、これまであったF1のよさが消えて、まったく違ったカテゴリーになってしまった......。そんな思いが昔からのファンにはあると思います。
実際にマシンを走らせているドライバーのなかにも同じように感じている人が多いようです。これはピュアレーシングじゃない、と。そこが問題ですよね。
だからレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手は「今のF1は楽しめない」と語っているのだと思います。彼は引退も検討していると言われていますが、フェルスタッペン選手のこれまでの言動を聞いていると、自分のやりたくないことを無理してやるようなタイプには見えません。本当にF1を去ってしまう可能性もありますよね。
それに彼は最近、GTレースに関心を持って、GTマシンによく乗っていますからね。第2戦の中国GPが終わったあとにはドイツのニュルブルクリンクでGTレースに出場し、日本GPのために来日した際にも富士スピードウェイでスーパーGTに参戦する日産Z GT500をテストドライブしていました。
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