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逆転レアル、大敗ローマ。
CL2試合にみる「サッカーは布陣で決まる」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 アウェーゴールを奪われ、攻めなければならない強迫観念が焦りとなって現れるのは、当然の帰結だった。後半57分に浴びたカウンターによる逆転弾は、バイエルンの左SBラフィーニャのパスミスに端を発していた。

 アシストはルーカス・バスケス。得点者はマルコ・アセンシオ。両ウイングで奪ったゴールだった。イスコがピッチにいたら、このゴールは生まれていただろうか。カウンターの主役になっていただろうか。イスコの交代はケガという報道もあるが、それは次戦に向けてのカモフラージュだろう。

 来週、サンティアゴ・ベルナベウで行なわれる第2戦の見どころでもある。イスコは先発を飾るのか否か。

 サッカーは布陣でするものではない。その昔、布陣の話をするとそう反論されたものだが、それでも懲りずに布陣話をするのは、そう言いたくなる試合に幾度となく遭遇したからだ。

 90年代の後半。守備的サッカーが勢いを失い、攻撃的サッカーが台頭し始めた頃のことだ。前者を代表する3-4-1-2と後者を代表する4-2-3-1あるいは4-3-3(当時まだ数は少なかったが)が対戦したとき、試合を有利に進める割合が高かったのは、断然、後者だった。

 攻撃的か守備的かというより、効率的か非効率的かの方が、論点として相応しく感じた。守備的サッカーは非効率性を露わにした結果、衰退した。攻撃的サッカーは効率性を誇示した結果、興隆した。

 CL準決勝のもう1試合、ローマ対リバプールは、当時を彷彿させるような、まさにサッカーは布陣でするものだと言いたくなるような一戦だった。

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