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【プロ野球】ヤクルトが下馬評を覆すまさかの快進撃 その裏にある「池山采配」と「気がつけば廣澤」の存在感 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura

【抑えのポジションをつかみたい】

 さらに4月10日の巨人戦でも三者凡退に抑え、無失点投球を披露。ここまで5試合に登板して2勝0敗、防御率0.00と安定した成績を残している。

 前出の由規コーチは「現状は、先発が崩れたあとやビハインドの場面での登板が多いと思いますが」と前置きし、こう続けた。

「これまでにのし上がってきた先輩たちも、そうした場面での積み重ねから自分のポジションをつかんでいきました。今のところ充実した一軍生活を送れていると思いますが、これからは踏ん張りどころも増えてくるはず。任されたイニングで安定して自分の球を投げる......その積み重ねを意識してほしいですね」

 廣澤自身も、自らのポジション確立に向け、常に改善点を探し続けている。

「まだどの場面で投げるか明確になっていないですが、これまでと変わらずしっかり準備していきたいです。毎試合、必ず課題は出るので、それをひとつずつ潰していく。そして自分の強みであるストレートの質を高め、平均球速も上げていきたいです」

 そして廣澤は、「9回のマウンドの景色には特別な感情があります」と言った。

「最終回は緊張しますが、そこで抑えなければ目指す場所には届かない。今は池山監督を中心に、負けても引きずらない明るさがあります。ブルペンもリランソ選手とキハダ選手が明るく、みんなその雰囲気に乗っかっています。このチームで9回を締めるポジションをつかんで、その時にマウンドからどんな景色が見えるのか見てみたいですね」

 最速159キロの右腕が流れを引き寄せる投球を続ければ、その場所へと確実に近づき、チームも上位争いに加わっていくはずだ。

著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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