検索

【プロ野球】ヤクルトが下馬評を覆すまさかの快進撃 その裏にある「池山采配」と「気がつけば廣澤」の存在感 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura

 5点リードの展開で9回表のマウンドに送り出された廣澤だったが、神宮球場の特性を考えれば、何が起きても不思議ではない状況だった。

「さすがに9回はないだろうと思っていたので、『まさか』という気持ちもありましたが、それ以上に『やっと(出番が)来たな』という思いのほうが強かったです。でも、いざ投げると緊張してしまって不安もありましたが、ファンの方の声援に助けられました」

 結果は、わずか13球で三者凡退。チームは開幕4連勝を飾った。

 2度目の登板は、4月3日の中日戦。この日は吉村貢司郎と柳裕也による息詰まる投手戦。ヤクルトは清水昇、田口麗斗、木澤尚文とつなぎ、廣澤優は0対1で迎えた9回表のマウンドに送り出された。池山監督はこの起用について、こう説明した。

「もちろん、彼なら抑えてくれると思って送り出しました。ヤクルトには150キロを超えるストレートを投げる投手は多くないですからね。エンジン全開で腕を振り、打者を打ち取っていってほしい。そうやって経験を積み重ね、少しでもスケールの大きな投手に成長してもらいたい。そのためには経験がすべてですから」

 結果は、「試合展開によるプレッシャーはありました」という廣澤は2四球を出すも無失点に抑え、期待にしっかりと応えた。ただ、2試合を投げた段階で140キロ後半の真っすぐがほとんどで、最速は151キロにとどまった。

「フォームの部分で思うように出力を発揮できず、悩んでいました」と、廣澤は振り返った。

「一軍の緊張もあったことに加え、『投げたい』という気持ちが先走り、体が前に突っ込んでフォームを見失っていました。その時期に、伊藤智仁コーチと山本哲哉コーチにフォームを見てもらい、自分では気づけなかった部分を修正できたことで、出力が戻りました。本当に感謝しています」

 4月5日の中日戦では、5点ビハインドの7回表に登板。2四死球を与えながらも、150キロ台中盤のストレートを連発して無失点。チームはその裏、一挙7点の猛攻で大逆転。廣澤はプロ初勝利を手にして、初めてのお立ち台にも上がった。

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る