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【プロ野球】西武・今井達也の脱力フォームに潜む高度な技術 「配球だけでは限界を感じる部分があるので...」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

「(2本の本塁打は)結果的に甘いボールだったので。バッターが振ってくるなという雰囲気を感じながら投げないといけない。相手が振ってくるタイミングで、甘くスッと入ってしまった。(捕手の)古賀(悠斗)としっかりコミュニケーション取って投げていきたいと思います」

 投手に失投はつきものだが、違う結果にできたと反省する姿勢こそ、次回の改善につながっていく。開幕戦は悔しい結果に終わったが、収穫もあった。

「(収穫は)フォアボールを出さなかったことじゃないですか」

 2年続けて2ケタ勝利を挙げた2023、24年とも、与四死球ゼロの試合はなかったが、今季は開幕戦で記録。その裏にあったのが、日本ハム打線が早いカウントから仕掛けてきたことと、西武バッテリーが昨季までと配球を変えたことだった。

 初回は<ストレート:10球、スライダー:2球>と、力で押して三者凡退。2回は一死二塁のピンチを招いたこともあり、<ストレート:8球、スライダー:11球>と「球界No.1変化球」とも言われるスライダーの割合を増やして無失点でしのいだ。

 すると一転、3回からフォーク、4回からカーブ、5回からチェンジアアップを織り交ぜ、日本ハム打線に早いカウントから打たせていく。以下が試合全体の投球割合だ。

ストレート:49.5%
スライダー:28.6%
チェンジアップ:11.4%
フォーク:7.7%
カーブ:2.9%

 2024年全体は以下の割合だった。

ストレート:46.2%
スライダー:39.9%
チェンジアップ:8.2%
フォーク:3.3%
カーブ:2.4%
カットボール:0.1%

 2024年と今季開幕戦を比べると、スライダーの割合が大きく減り、チェンジアップとフォーク、ストレートが少しずつ増加。特に左打者に早いカウントで落ちる球を使い、打たせて取るアウトを稼いだ。9回を105球という球数で済ませた大きな要因となった。

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