清水直行は「勝っているロッテが見たい」バッテリーが抱える問題、苦境のなかで見える光明についても語った
清水直行が分析するロッテの現状 後編
(前編:低迷するロッテの現状をOB清水直行が分析 改革が進まないのは、ここ数年で見せた「しぶとさゆえの弊害」も>>)
現在、パ・リーグ最下位に低迷しているロッテ。OBの清水直行氏に聞くチームの現状の後編では、バッテリーが抱える課題、苦しいチーム状況のなかで垣間見えるポジティブな要素について聞いた。
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【盗塁されることが多い理由】
――ロッテ抱える課題のひとつとして、出塁を許したあとに盗塁を決められてしまうケースが多いことが挙げられると思います。
清水直行(以下:清水) 大前提として、盗塁を阻止するのはバッテリーの共同作業です。ピッチャーは投球フォームを盗まれないようにしなければいけませんし、クイックも必要です。キャッチャーは捕ってから投げるまでのスピード、送球の速さや正確性などが求められます。
ただ、ここまで走られてしまっているということは(被盗塁46)どういうことなんだろうかと......。ここ数年、ロッテのキャッチャーの盗塁阻止率が低迷していることを考えると、「もしかしたらトレーニングマニュアルが確立されていないのでは?」という疑問を抱かざるをえません。
――先ほど(前編で)、選手を育てるためには辛抱が必要という話がありましたが、キャッチャーも同様でしょうか。
清水 そうですね。キャッチャーはそう簡単には育たないんですが、そこも辛抱でしょう。誰を中心と考えて育てていくのか。それと、ここまで課題が明白であれば、ロッテのキャッチャー陣はバッティング練習よりも、「捕ってからいかに素早く投げるか」といったディフェンス面の練習に時間を割いたほうがいいんじゃないかと思います。
例えば、サト(ロッテOB・里崎智也氏の愛称)のようなスーパーキャッチャーを呼んで、短期キャンプを張るのもいいかもしれません。彼なら、キャッチャーとしての極意を伝授してくれると思うので(笑)。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。