清水直行は「勝っているロッテが見たい」バッテリーが抱える問題、苦境のなかで見える光明についても語った (2ページ目)
――"打てるキャッチャー"もいいけれど、やはり守りが肝になる、ということですね。
清水 古田敦也さんや谷繁元信さん、城島健司、サト、阿部慎之助にしろ、歴代のスーパーキャッチャーと言われている人たちはバッティングもすごかったのですが、ウエイトを置いていたのは、やはり"守り"なんです。「キャッチャーとしての仕事がおろそかになったらダメだ」と考えていて、「ダメだったら打てばいいんでしょ」とは決して思っていなかった。少なくとも僕からは、そのように見えていました。打席に入ったら、スーパーバッターにもなるんですけどね。
すごいキャッチャーたちは、ピッチャーをしっかりリードして、"扇の要"としてチームを牽引していました。キャッチャーだけがほかの野手とは反対の方向を向いているわけで、全体を俯瞰する司令塔でなければいけません。まずは、その仕事が「100」なんです。打つことも大切ですが、まずはそれぞれがキャッチャーとしての成長を見せてもらいたいです。
――佐藤都志也選手は昨年、打撃が開花したように見えましたが、今季は低迷(打率は昨季.278、今季はここまで.092)。そこの改善も必要ですが、それでもまずは守備の向上が優先となりますか?
清水 そうですね。佐藤は、キャッチングやブロッキング、スローイングにしても、改善しなければいけない点が多々あるように感じます。捕ったり、盗塁を刺したりすることに自信が持てず、「打つほうで挽回しよう」と考えてしまう部分が、ひょっとしたらあるのかもしれません。
極端な言い方をすると、「打てなくてもいいから、守りをうまくなろう」という意識を持ってほしいのですが、やはり打つほうが好きで、「打つほうで結果を出したい」となってしまうのかもしれません。寺地隆成にしても同じことが言えます。ただ、寺地に関してはまだ2年目の19歳ですし、今は守るのも打つのも必死に経験を積んでいる段階だと思いますが。
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