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清水直行は「勝っているロッテが見たい」バッテリーが抱える問題、苦境のなかで見える光明についても語った (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【OBとしても「勝っているロッテが見たい」】

――若い選手たちが経験を積み、何が足りないかを明確に認識できることはいいことですね。

清水 そうですね。それと、若い選手たちが結果を出した試合はやはり勝ちたいです。彼らが何かのきっかけをつかんでいる試合は、どんな手を使ってでも勝たないとダメです。活躍した試合は勝って笑いたいし、喜びたいじゃないですか。でもチームが負けてしまうと、それも控えなければいけない雰囲気になってしまう。
 
 勝てればみんながハッピーですし、そのなかで活躍できた若手は自信もつきます。年俸も上がりますし、いいことだらけ。ボビー(・バレンタイン)が監督の時は、勝っている試合の終盤に選手をよく交代していたのですが、それは、ひとりでも多くの選手をグラウンドに出して、勝ち試合の喜びを共有するためでした。普通は大差がついた負け試合の展開の時に若手を途中出場させたりしますが、逆だったんです。

――ロッテはチーム体制の強化を目的に、サブロー二軍監督兼統括打撃コーチが一軍ヘッドコーチに就任するなど、配置転換に踏み切りました。

清水 借金は多いですが、まだ6月に入ったばかり。ここで舵を切るのも、チームの状況を変えるためのひとつの手ですよね。それと、僕が言いたいのは、決してフロントや監督・コーチに対しての批判というわけではなく、現状のチームに対しての"疑問"を抱いているということ。自分はOBなので、やはり勝っているロッテが見たいですし、上昇していってもらいたいという思いが強いんです。

 そのためには、ストロングポイントを生かしつつ、ウイークポイントにもしっかりと向き合う姿勢が大事ですし、フロントと監督・コーチ、選手が三位一体で取り組んでいってほしいと願っています。

【プロフィール】

清水直行(しみず・なおゆき)

1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝(旧・東芝府中)から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの中核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年のシーズン後にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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