検索

清水直行が語るロッテの「ポスト佐々木朗希」 田中晴也の評価が高いのはなぜ?

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

 高卒2年目の昨季に一軍で4試合に先発し、20イニングと少ないながらも防御率1.80をマークしたロッテの田中晴也。まだ勝利数は1にもかかわらず"ポスト佐々木朗希"と呼ばれ、次世代のエース候補として大きな期待がかかっている。

 オープン戦で安定したピッチングを見せるなど確かな成長を見せる田中は、なぜそこまで評価が高いのか。かつてのロッテのエースで、2018年、19年にはロッテの投手コーチも務めた清水直行氏に、田中のストロングポイントについて語ってもらった。

ロッテの新エース候補として注目される田中晴也 photo by Sankei Visualロッテの新エース候補として注目される田中晴也 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【長所はマウンド度胸とストライク先行】

――オープン戦でアピールし、開幕ローテーション入りを果たした田中投手ですが、同じ右投げの先発ピッチャーとして、どんなところに魅力を感じますか?

清水直行(以下:清水) 一番の魅力はマウンド度胸のよさです。高卒3年目にしてはとても落ち着いていますし、マウンド上で自分がやりたいことをしっかりとやれているピッチャーですね。

 ブルペンでいいボールを投げていても、マウンドに上がるとガラっと変わってしまい、自分のやりたいことができないピッチャーも多いのですが、田中は終始落ち着いています。1球1球に意図を感じますし、ストライク先行でカウント負けしないピッチングができるんです。

 昨年はカウント負けしてフォアボールを出してしまうシーンが見られたのですが、今年はオープン戦を見た限り、まだその気配がありません。それと、昨年よりも力みが抜け、もともとよかった腕の振りが、さらによくなっています。

――やはりボールが先行してしまうと、ピッチングは苦しくなります。

清水 コントロールが定まらずにボールが続いてしまうと、結果的に逃げのピッチングになってしまったり、行き当たりばったりのピッチングになってしまいますからね。

1 / 3

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

【写真】千葉ロッテマリーンズ「M☆Splash!!」新メンバー8人・フォトギャラリー

キーワード

このページのトップに戻る