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【高校野球】大阪の高校球界をザワつかせた異例の人事 履正社出身監督が名門・市岡の再建に挑む (4ページ目)

  • 清水岳志●文 text by Takeshi Shimizu

 野口さんは選手たちに繰り返し伝えてきたことがあった。

「うちの学校は"ザ・高校野球"をせなあかんと。高野連をつくった学校だし、見られる目が違う。皆勤を続け、挨拶をして、グラウンドマナーを守ろう」

 その精神を受け継ぐ覚悟で、監督就任を決断した。

「外部出身の自分が監督でいいのか迷いました。でもOBの方々から『江原先生なら』と言っていただき、こんな名誉なことはないと思いました」

 指導方針は大きく変えない。

「考える野球は野口先生と同じです。ただ、メニューは先に示して、自分たちで準備や段取りを考えさせたい。全体練習は少し短くなるかもしれません」

 何より受け継ぎたいのは、市岡らしさだ。

「市岡の野球は、全力で泥臭くやること。そこは技術以上に大事にしたい」

 今春から新体制がスタートし、1年生はここ数年で最多の17人が入部。春季大会は初戦敗退だったが、江原監督には大きな学びがあった。

「3年生をもっと信じて送り出さないといけなかった。3、4月は打撃練習を増やそうか迷いました。でも、5点取っても7点取られたら勝てない」

 履正社時代から守備重視で育った。守備は練習した分だけ伸び、強豪と渡り合う武器になると信じている。

「結局、いい投手は打てません。だから守備です。ランナーをためない、2点目を与えない。その意識は浸透してきました」

 部員44人、マネジャーを含め47人。

「これだけの個性が集まれば、強豪とも十分戦える。僕は私学出身だから、相手が嫌がることもわかっています。夏の大会が本当に楽しみです。この選手たちと野球ができることが、何より楽しみなんです」

つづく>>

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