【ワールドカップ】森保監督の続投? 日本代表の次期監督問題に、セルジオ越後は「森保監督は真面目で信頼できる人柄だけど...」
続投も取り沙汰されている森保監督 photo by JMPA
北中米ワールドカップでベスト32敗退に終わったサッカー日本代表。8年間続いた森保一監督体制もひとつの区切りを迎えた。後任監督をめぐる議論、そして次の4年への期待と課題を、おなじみのご意見番、セルジオ越後氏に聞いた。
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【大事なのは、今回の負けを次にどうつなげるか】
メディアの関心はもう次に向いている。次の日本代表監督は誰か。森保一監督の続投か。それともU-23代表を率いる大岩剛監督の昇格か。川崎フロンターレに続き、鹿島アントラーズでも結果を出した鬼木達監督か。
でも、ちょっと待ってほしい。議論の順番がおかしいよ。次の監督どうこうの前に、この4年間の活動をしっかり振り返り、何がよくて、何が悪かったのか、なぜワールドカップで思うような結果を出せなかったのか、その検証が先だ。仮にも優勝を目指していたチームがベスト32で負けているんだ。何も分析しないまま次の監督を決めようなんて乱暴すぎる。大事なのは、この負けを次にどうつなげるかだ。
例えば、ブラジルではワールドカップで優勝した時よりも、負けた時のほうがより長い時間をかけ、負けた原因を分析する。いろいろな意見が出て、メディアが毎日のように報道する。ファンの間でも喧々諤々(けんけんがくがく)の議論が交わされる。サッカー協会のトップや代表の強化担当者の責任問題に発展することもある。そういう厳しさがあるからこそ、協会関係者はもちろん、監督やコーチングスタッフ、そして、選手たちも必死になる。
今大会、グループステージで敗退した韓国はホン・ミョンボ監督がすぐに辞任し、サッカーファンどころか、大統領からも非難されていた。ブラジル人の僕から見てもひどいと思うし、日本もそこまでやれとは言わない。でも、前回がベスト16で今回がベスト32と、明らかに成績が落ちているのに「ドンマイ、ドンマイ」だけでは次につながらない。メディアやファンにも一定の厳しさが必要だと思う。
ブラジル戦後、僕はテレビ局の人から「佐野海舟選手のすばらしいシュートはどうでしたか?」って聞かれて、困ってしまったよ。どんなにすごいシュートを決めても、結局、試合には負けているのだから。なぜ負けたのかを追究することのほうが大事だ。
そのうえで次の監督について語るなら、プロの世界は結果がすべて。前回のカタール大会はグループステージでドイツ、スペインを破ってベスト16進出。今回はベスト32で敗退。成績は下がっている。一昨年開催のアジアカップもベスト8敗退。少なくとも「史上最強」と言えるような結果は残せていない。僕は森保監督とは昔からの知り合いで、彼は本当に真面目で信頼のできる人柄だけど、それとこれとは別問題。何を根拠に森保監督の続投という意見が出ているのかは、よくわからない。
予算の問題や、適当な候補者が他にいないという問題があるというなら、それも含めて議論を尽くし、その結果として森保監督が続投すべきだというなら、それでいい。でも、今はただのにぎやかしで名前を挙げているように見える。
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著者プロフィール

セルジオ越後 (せるじお・えちご)
サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】


