【ワールドカップ】サッカー日本代表の今後はどうあるべきか チームづくりに必要な発想の転換
森保ジャパンの実像(後編)
「ワールドカップ優勝」を目標に掲げた森保ジャパンの旅は、そのかなり手前で終わることになった。「史上最強」とも言われた日本代表にとって、いま何が課題になっているのか。そしてこれからの4年間はどうすべきなのか。ワールドカップの取材を続けている杉山茂樹氏、浅田真樹氏のふたりが語り合う――。
ブラジル戦を終え、ピッチをあとにする久保建英、上田綺世ら日本代表の選手たち photo by JMPA浅田 話は変わりますが、最近、Jリーグなども「ライト層にアピールしなければいけない」ということで、民放の地上波でもサッカー番組が始まったりしています。結局はタレントが出演するバラエティっぽい番組になって、それはそれで悪いとは言わないけど、そういう意味では、サッカーに興味はあるけど、日本がいまどのくらいの実力で、世界ではどのくらいのところにいるのか、わからないという人たちも増えていると思うんです。そこへ向けて代表監督が「目標は優勝」と言えば、「優勝するかもしれない」と思って観るわけじゃないですか。それが「こんなフルボッコで負けちゃうの?」となれば、人気面でもマイナスになりかねない。それも含めて、余計なことを言っていたのではないかと思うんです。
選手たちも「優勝」と言っていたじゃないですか。チャンピオンズリーグに出る選手も増えて、彼らはレアル・マドリードやバルセロナ、マンチェスター・シティ、リバプールといったところはまたちょっとレベルが違うということを肌で感じている人たちのはずです。そこから「優勝を狙っている」という話が当たり前に出てきてしまう。「何を言っているんですか。トップの選手たちはこんなものじゃないですよ」という話になってもいいと思うんだけど、選手も「優勝」になってしまった。
杉山 優勝は無理だということはみんなわかっていると思うけど、なかなか言えないのかな。テレビに出てくる元日本代表の解説者たちも、人気商売だから、「優勝なんてできるわけがない」とは言えないんでしょう。そうするともう「優勝」が増幅していくしかない。それを止める仕組みがいまの世の中にはないんですね。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。


