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病と闘う森友哉の同級生・福森大翔が語る大阪桐蔭で過ごした日々「あの3年間がなかったら、今これだけ踏ん張れてたんかな...」 (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

 高校時代の思い出を振り返ると、時には逃げたくなる現実から一瞬離れることができるのだろう。野球を語っている時の顔は明るく、生き生きとしている。今も気持ちが落ち、弱気の虫が現れそうになると、フラッと大阪桐蔭の練習グラウンドを訪ねたくなるという。

「最後に行ったのは今年の2月。治療の帰りでした。あそこに行くと、ほんとパワーをもらえるんです。先生たちと話をして、グラウンドの空気を吸うと『よしっ、また頑張ろう』っていう気になる。その時、(部長の)有友(茂史)先生は『ボロボロになってもええ。最後に1点でも上回ったらええんや。(病に)勝てよ!』と。ちょっとネガティブな気分の時だったんで、響きました。

 高校の時もいろんな言葉に救われ、力をもらってきました。もう一回、高校時代に戻りたいかと聞かれたら簡単には答えられないですけど、あの3年間がなかったら、今これだけ踏ん張れてたんかな、と。僕のこれまでの人生のなかで、一番濃い時間だったのは間違いないです」

 福森は近々、またパワーをもらうためにグラウンドを訪ねたいと思っている。

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  福森 大翔

【プロフィール】
1995年7月29日、大阪市旭区生まれ。小学3年生で野球と出会い、中学時代は大阪都島ボーイズ、高校時代は大阪桐蔭高校野球部に所属し文武両道に励む。立命館大学産業社会学部卒業後、大手ハウスメーカーに入社。2021年にがんの宣告を受けるも、2024年に入籍。現在に至る

著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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