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【Bリーグ】馬場雄大が「優勝請負人」と言われる理由 「次は長崎のために勝つよ」の言葉にチームが一丸となった (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【ギアが上がった優勝まで残り3分】

 球団社長兼GM(ゼネラルマネジャー)の伊藤拓摩氏が馬場と最初に出会ったのは、彼が大学1年生の時だったという。その後、アルバルク時代はアドバイザーと選手という関係で、Gリーグのテキサス・レジェンズ時代もコーチとして馬場のそばに身を置いてきた。間柄は言うまでもなく、長崎のほかの誰よりも密接なものだ。

 今よりも鼻息の荒かった20代前半の馬場を、伊藤氏は「かわいらしい子」だったと振り返る。だからこそ、彼の選手として、また人間としての成長を喜んだ。

 ファイナル第3戦の前、伊藤氏はチームのアシスタントコーチからある話を聞かされた。そのコーチいわく、2日前の第2戦目に勝利したあと、馬場がハドルのなかで仲間に向かって「次は長崎のために勝つよ」と伝えたのだという。

「その言い方やオーラがチームをすごくグッとまとめたのだと、そのアシスタントコーチは言っていたんです。リーダーとしても人間としても成長したと思います。このファイナルでもCS(チャンピオンシップ)でも、彼のリーダーシップはすばらしかったと感じています」

 さきほど、ファイナルでの馬場の印象を「粛々とプレーする」と表現した。しかし第3戦、ファールトラブルでベンチに長く下がっていた馬場が試合残り6分半でコートに戻ってからのプレーは、その形容が当てはまらなかった。

 残り3分。琉球のPG/SG岸本隆一からSF/PFヴィック・ローへのパスに反応した馬場は、それをカットしようと右腕を伸ばしながら飛び込んだ。跳んだ、と表現してもいい。「優勝」の二文字が否が応でも頭をかすめる時間帯──さすがの馬場もギアを上げた。

 そうした最終局面でのプレーについて、馬場は「本当に勝ちたい思いが全面に出ていたなと、客観的に見て思いますし、自分に対しても『よくやったな』と言いたいです」と語った。

 客観的に見て──という表現が、どこか馬場雄大らしい気がした。

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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