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岩田智輝、横山歩夢が語るイングランド3部とは? 「日本のサッカーとは180度違う」 (2ページ目)

  • 山中忍●文 text by Yamanaka Shinobu

【フィジカルが鍛えられるリーグ】

 その結果、横山というA代表歴のない21歳も、サガン鳥栖からの移籍が実現した。同じく昨年8月、バーミンガムは、スコットランド1部のセルティックから岩田智輝も獲得。チャンピオンシップだった昨季に籍を置いていた三好康児(現ボーフム)を通し、日本人選手の能力レベルを確信してもいたからだろう。降格後、ドイツのブンデスリーガに活動の場を移した27歳のウインガーは、昨季3人目の正監督となったトニー・モウブレイから、「チームに欠かせないサッカー頭脳の持ち主」と、買われていた。

 降格の原因は、約2カ月間に終わったふたり目の指揮官、ウェイン・ルーニー体制の失敗。国際的ネームバリューと攻撃的スタイルを欲する、アメリカ人オーナーの焦りが仇となり、6位で受け継がれたチームが降格圏でシーズンを終えた。

 もちろん、リーグ1のサッカーはプレミアとは違う。自身初の海外移籍でもあり、カップ戦を中心に適応期間を送る横山に言わせれば、「本当にフィジカル」となる。

「もうフィジカル、フィジカルっていう感じですね。日本のサッカーとは別物ですし、馴染むのにすごく時間がかかるリーグと言えば、そうかもしれません。日本とは180度違うと言ってもいいんじゃないかなと思います」

 FAカップ戦当日、バーミンガム市内中心の駅から会場まで30分ほどの距離を歩いて向かう途中、計7名の地元ファンに横山の印象を尋ねてみた。すると、「興奮させてくれるね」「積極的にゴールに向かう姿勢がいい」「トリッキーな選手」「ドリブラー」「チームにエネルギーを与えられる」といった好意的な言葉に混じり、「まだ若いな」という判断力に関する指摘とともに、「細いわね」との声もあった。その発言の主である女性は「もっと食べなさい!」と言って笑っていた。

 すでにレギュラー格で、リンカーン戦はベンチ休養となった岩田も、「すごくフィジカルが鍛えられるリーグだと思いますね」と、リーグ1の特徴を語る。体格と英国でのピッチ経験で横山に勝る27歳のボランチもそう言うのだから、フィジカル度は本物だ。

 岩田には、試合中のウォームアップ時、ピッチサイドから横山に動くべきスペースをコーチングする姿も見られた。ピッチに立つ際の自身に関しては、次のように言っている。

「プレッシャーを受けた時にどれだけ落ち着いてプレーできるかっていうのと、自分たちがボールを保持して相手がロングボールを蹴ったりする時に、そのロングボールをいかに相手より拾えるかっていう部分は、最近、すごく意識してやっています」

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