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川崎フロンターレにいた小塚和季はなぜ、Kリーグ移籍を決めたのか「今こうなって、自分でもビックリしています」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

――そうした違いもあるなかで、ほとんど準備期間もないまま、新しいチームで試合に出ることに不安はありませんでしたか。

「水原三星は最下位だったし、最初の試合(移籍後初戦の大田ハナシチズン戦)がすごく重要だと思っていたのに、そのなかで0-2になった時は、ちょっとヤバいなと思いました(苦笑)。

 でも、そこから2-2に追いついた時の選手のプレーっていうのはクオリティが高かったですし、水原三星にはいい選手がいるので、このまま落ち着いてやれば、絶対に最下位からは抜け出せるっていう気持ちに変わったというか、希望の光が見えたというか。あの試合で、やってやろうっていう気持ちがさらに強くなりました」

――新たな環境で自分の武器をどう生かすか、ということについてはどのように考えていますか。

「たった数日の練習でも、周りの選手たちが僕の特長を見抜いてくれたというか、僕はパスを出すのが得意なので、僕がボールを持った時にすぐに動き出してくれた。だから、僕としてもそんなにやりにくさを感じることなく、うまくチームに入れました。それで、チームメイトも信頼してくれたのかなって思います」

――移籍後初勝利となった蔚山現代FC戦(3-1)では、DFラインの背後へ落とす浮き球のワンタッチパスでチャンスを作り、先制点をお膳立てしました。川崎OBの中村憲剛さんも、小塚選手のそうしたパスセンスを高く評価していたと聞きますが、直接アドバイスされたことはあったのですか。

「そんなには多く話してはいないんですけど、昨年のガンバ大阪戦(J1第3節。2-2)で(1点目を)アシストしたシーンがあって、それは(相手選手の頭上の)空間を使ってというか、ペナルティーエリア付近から浮き球のパスでアシストしたんですけど、憲剛さんから『オレもああいうプレーは好きだし、ああいうプレーができるのはおまえぐらいだと思う』みたいなことを言ってもらえて、それはすごく自信にはなりました」

――水原三星の試合でも、すでに小塚選手がボールを持つだけでスタンドが沸くようになっています。サポーターからも認められているのではないですか。

「やっぱり声援が聞こえてくると、自分がボールを持った時に『何かしてやろう!』っていう気持ちになります。見ている人が楽しめるプレーをすることに、僕もサッカー選手としてすごくやりがいを感じているので、今は気持ちよくプレーできているのかなと思います」

(つづく)◆後編:小塚和季が「ビックリした」Kリーグの応援>>

小塚和季(こづか・かずき)
1994年8月2日生まれ。新潟県出身。パスセンスあふれるミッドフィルダー。帝京長岡高卒業後、在学中に特別指定選手として登録されたアルビレックス新潟入り。その後、2年目に期限付き移籍したレノファ山口をはじめ、ヴァンフォーレ甲府、大分トリニータ、川崎フロンターレでプレー。そして2023年7月、韓国の水原三星ブルーウィングスに完全移籍した。

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