川崎フロンターレにいた小塚和季はなぜ、Kリーグ移籍を決めたのか「今こうなって、自分でもビックリしています」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

――言い換えれば、自分のなかできちんと整理をつけられた、と。

「そうですね。最終的にクラブ同士の話し合いになったところで、僕の意思としては(水原三星に)行く気がありますっていうことを、その時に初めてチームメイトだったり、いろんな人たちに、相談というより、報告という感じで話をしました」

――鬼木監督にも直接自分の意思を伝えたのですか。

「オニさんには、クラブ同士での話が決まってから話しました。オニさんも僕を使い始めたタイミングだったので、『残ってほしいっていう気持ちもやっぱりある』っていうことを言ってくれました。ただ、僕のサッカー人生でもあるし、年齢(29歳)というところも考えて、僕の気持ちを尊重してくれました」

――移籍の決め手は何だったのですか。

「やっぱり水原三星というクラブに、すごく魅力を感じたということです。Kリーグのなかでも名前も聞いたことのある有名クラブでしたし、なおかつ、そのクラブが(移籍前の段階で)最下位にいるということで、少しでも順位を上げるためのチャレンジだったり、水原三星がまたかつてのような強豪になっていくためのチャレンジだったりっていう、そういうところにすごくやりがいを感じました」

――最下位であることが、むしろモチベーションになった、と。

「そうですね。ここで何か爪痕を残したいっていう気持ちもありましたし、ここで活躍すればまた注目もされるだろうし、っていう思いはありました」

――海外移籍とはいえ、現在はヨーロッパのクラブへ移籍する日本人選手が多いなかで、Kリーグに行くことに抵抗はなかったですか。

「(水原三星が)自分を求めてくれているっていうことがすごく大きかったので、抵抗はなかったです。やっぱりサッカー選手としては、求められているところでプレーするのが一番。それはたぶん、誰もが望むことだと思います」

――実際に韓国でプレーしてみて、日本との違いをどう感じていますか。

「サッカーには何が正解っていうのはないと思うので、あくまでも(どちらがいいか悪いかではなく)違いで言えば、韓国の選手たちは目の前に敵がいたら仕掛ける気持ち、突破する気持ちがすごく強いなっていうのは感じます。日本だったら(攻撃を)やり直すシーンとかでも、韓国では前への推進力だったり、パワーでどんどん突き進んでいく。そこが今、日本と韓国では結構違う部分なのかなっていうのは思っています」

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