【競馬予想】ダービーは「1強」クロワデュノールが断然も、レジェンドを迎えた伏兵に一発の可能性
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
――いよいよ3歳馬の頂点を決する大一番、GI日本ダービー(6月1日/東京・芝2400m)が迫ってきました。
大西直宏(以下、大西)自分が現役を引退してからおよそ20年。立場が変わっても、ダービーだけは毎年ドキドキ、ワクワクさせられますね。
――大西さんのダービーと言えば、1987年のサニースワローでの2着と1997年のサニーブライアンでの戴冠と2戦2連対。いずれも思い出深いレースなのではないでしょうか。
大西 そうですね。とりわけ、僕のジョッキー人生を変えてくれた二冠馬サニーブライアンのことは強く印象に残っています。デビューから9戦目にGI皐月賞(中山・芝2000m)を制して、ダービーまでは6週間あったのですが、馬が日に日によくなっていって。その中間の過程のことは、いまだに忘れられません。
最終追い切りでは、GI安田記念に出走予定の、芦毛の外国産馬スピードワールドと併せ馬を敢行。同馬の手綱を取る田原成貴さんも関西から駆けつけて、「いい追い切りができそうだな」と思っていました。ところが、こちらが先行して併せる予定だったのに、待てど暮らせど後ろからスピードワールドが迫ってくる気配がなく、結局単走での追いになってしまいました。
おかげで、レース前日の土曜日の朝イチに上がり3ハロンの"前日追い"で微調整することになったのですが、そのときの風圧というか、迫力がとにかく抜群でした。好調時に出ると言われる「銭形模様」も馬体にクッキリと浮かび上がっていて、出来に関しては皐月賞のときよりもはるかに手応えを感じていました。
――皐月賞に続いて、ダービーでも大外の8枠18番発走でした。
大西 当時、枠順抽選会は公開で行なわれ、ダービーのときは美浦トレセンの事務所だったか、どこかしらの会館で実施されました。そこには自分が任されて行ったのですが、皐月賞のときと同様、「(他馬に)かぶされたくないので、今度も外枠がほしい」と思っていて、自らの順番が来た際には「残りは全部18番!」と祈りながら、ガラガラの抽選機を回しました。
すると、出てきたのはドンピシャの18番の玉。「こりゃあ、間違いなく追い風が吹いている」と確信しましたね。
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