「10年後もカズさんには現役でプレーしてほしい」北澤豪が考えるJリーグの未来図「アジア支援、SDGs、障がい者、高齢化...」 (5ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

「SDGsには『貧困をなくそう、飢餓をゼロにしよう』という目標がありますが、日本国内では経済的な貧困を目の当たりにする機会はなかなかない。しかし海外へ出ていくと、貧困や飢餓がはっきりとした形で目に入ってくる国がある。

 海外でプレーする選手たちは、日本とは違う社会があることを敏感に察知している。川島(永嗣)くんや長友(佑都)くんと障がい者サッカーの話をすると、ものすごく理解を示してくれる。そういう選手が増えている。サッカーを通したグローバルな視点は大事だな、と思いますね」

── お話を聞いていると、やりたいことがたくさんありそうですね。

「高齢化がこれだけ進んでいるのだから、高齢者の方に人生のやり甲斐を持っていただくために、シニアのトップリーグがあってもいいかもしれない。Jリーグのレフェリーはある年齢になるとJリーグの舞台から下りるけれど、まだまだ稼働できる人的資源を使わないのはもったいない、というのが個人的な意見で。

 時代の流れに合わせて、年齢でカットするという発想は持たないほうがいい。大切なのは、サッカー界をどうやって発展させていくか。そのためには、今あるものをどうやって生かしていくかを考えるべきでしょう。」

── 北澤さんの考えるJリーグの未来図については?

「僕らの子どもたちの世代がJリーガーになってきて、10年後には3世代にまたがっているかもしれない。僕らの世代にとっての孫の世代が、プロ選手としてピッチに立っているはず。そうするとまた、違う価値観が入ってくるでしょう。

 かつての僕が刺激を受けたように、違う価値観を取り入れて新しいものを想像していってほしい。そのうえで、ここからの10年とか20年は、社会課題の解決にサッカー界、スポーツ界がこれまで以上に積極的に取り組んでいくべきでは」

── スポーツを通した社会課題の解決には、すでにJリーグも各クラブも取り組んでいますね。

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