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「10年後もカズさんには現役でプレーしてほしい」北澤豪が考えるJリーグの未来図「アジア支援、SDGs、障がい者、高齢化...」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

日本代表での北澤豪氏(左)と三浦知良(右)日本代表での北澤豪氏(左)と三浦知良(右)この記事に関連する写真を見る── プロにふさわしい高いレベルのサッカ--を観客に提供しなければいけない、という思いもあったのでは。

「それについては、Jリーグ開幕とともに来てくれた外国人選手、外国人監督の存在が大きかったですね。それから、GKコーチやフィジカルコーチのような専門的なスタッフが増えました。用具係もそうでしょう」

── ホペイロと呼ばれる用具係はヴェルディが先駆けでした。

「当時は『どうなの?』という感じでした。日本的な教育で言うと『自分のことは自分でしなさい』という感じになる。でも我々としては、スパイクについた芝や泥を落とす時間もサッカーに注ぎたい。そのためにホペイロがいる、という考えです。

 ホペイロがスパイクをピカピカに磨いて、練習着からユニフォームまできちんと管理してくれる。それに感謝をして練習に取り組む、という姿勢も生まれました」

── メディカル系のスタッフも増えましたね。

「チームドクターはJリーグ開幕以前からいたかもしれないけれど、フィジカルコーチがいてトレーナーがいて......という感じではなかったですね。Jリーグ開幕による大きな変化と言えば、育成もあげられるでしょう」

── Jリーグのクラブは育成組織を持つことが義務づけられました。

「ヴェルディの前身の読売サッカークラブには育成組織があって、僕もそこの出身だけれど、ほかの企業チームはなかったでしょう?」

── 横浜F・マリノスの前身の日産自動車も育成組織を持っていましたが、読売クラブほどには力を入れていなかった印象です。

「育成組織を持たないということは『あなたたちの組織の中長期プランはどうなっているんですか?』ということですよね。会社の福利厚生ならそれでもいいかもしれないけれど、クラブとして歴史を積み重ねていくためには、人を育てていかなければいけない。

 そうすると、指導者養成も必要になってくる。さらに言えば、クラブの在り方がプロの発想になっているのか、経営戦略を立てているのか」

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