【WBC 2026】メジャー軍団が揃うアメリカラウンドへ 侍ジャパン最大の武器は「甲子園」という一発勝負経験値
代表引退の"ラストダンス"が第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)最終戦で、前回王者・日本に5回途中まで無失点。チェコの先発オンジェイ・サトリアがマウンドを降りて三塁側ベンチへ向かうと、出迎えたチームメイトたちとひとりずつ抱擁を交わしていく。スタンドからチェコに声援を送る者たちはもちろん、日本代表のファンからも大きな拍手が送られ、東京ドームは野球愛好家がつくり出す幸福感に包まれた。
「最強の侍ジャパンを相手に投げて、今夜の試合は考え得る最高のエンディングだった」
サトリアはそう喜びを表したが、裏を返せば、侍ジャパンは好投を許したということになる。なぜ、ストレートの球速120キロ台のサトリアを打てなかったのか。
WBC1次ラウンド・プールCを1位で通過した侍ジャパン photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【球速120キロ台の投手に苦戦した理由】
それにはふたつの見方ができる。ひとつは、金子誠ヘッドコーチの見解だ。
「やっぱり魔球。横から見ていても、18.44メートルか、20メートルくらいの距離から、あのスピードで投げ込まれると、みんな打てないんじゃないかと思います。ふつうはステップして、だいたい16メートルくらいのところでボールを離すんですが......。彼は身長もそれほど高くない(175センチ)でしょう。それなのに、18メートルくらいの位置から120キロ台の球が落ちずに来るんです。打つのは本当に難しいですよ」
普段、見慣れないタイプの投手を国際大会で打ちあぐねる。第3戦のオーストラリア戦でも同じ"罠"にはまった。
もうひとつは、侍ジャパン自身に原因がある。チェコ戦の試合前会見では、外国人記者から核心をつく質問が井端弘和監督に飛んだ。
── 打線の上位、とくにメジャーリーガーの選手たちはとてもいい働きをしていますが、下位打線は少し打撃が弱いように見えます。それは気になっていますか? マイアミに向かうにあたって、打順の変更などを考えていますか?
「下位から上位に(つながる)というケースは、試合のなかでも多くあったというところでは、ヒットこそそこまで出てないなかでも、きっちりと上位にうまくつないでくれている。そのあたりはいいかなと思います」
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。


















